2017年11月25日

シュールレアル・ビジューからミドヴァニィへ(6) Surreal Bijoux - Mdvanii 6

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ビリーボーイの自叙伝的スキャパレッリ研究書「フロッキング・ライフ」(FROCKING LIFE SEARCHING FOR ELSA SCHIAPARELLI) より、第15章「シュールレアル・ビジューからミドヴァニィまで」(Surreal Bijoux - Mdvanii) の翻訳です。

カラフルで皮肉たっぷりのガラクタがインスピレーションを与えた

私たちの仕事には、様々なものからの影響が満ちていた。多くの1960年代ポップ・カルチャーとの関連がある。例えば、ファニーフェイスの飲料キャラクターのグーフィ・グレープとチュウチュウ・チェリー、トロール・ドールズ、ガンビィとポーキーズ、スー博士と彼の世界など。又、素晴らしくキュートなハスブロ玩具社の「ペティーナ」(プードル犬のファッションドールで、イブ・サンローランのモンドリアンドレス等お洒落な衣服を着ていた)、そして「マイ・リトル・ポニー」のフィギュアたち。ハンナ・バーベラ漫画ショー・スタイルの厚紙でできたドールハウス「フリンストーン・ハウス」の陽気でキャンプな雰囲気。そして、ルーブ・ゴールドバーグ・スタイルのネズミ取り罠ゲームは、私たちの創作品に奇妙な新しい方法の型を運んできた。様々な場所、全ての時代、どこででも、至る所からのカラフルで皮肉たっぷりのガラクタは、等しく、私たちに創作の霊感を与えてくれたのだ。

世界的に賞賛されていた馬を専門とした畜産家であったアレク・ヘッドに、光栄にも、ノルマンディーにある彼の有名な馬小屋でランチをご馳走になった時、私の創作魂は、ヘルメスのものとはどこも似ていない一風変わった女性騎手(サーカスで馬に乗って曲芸する芸人)に関連するイメージを捉えた。

これらの美しい物事の全てが、熟考され、冗談をかわし、そして、それらは愛情に満ちた、持続性の高い方法によって、あらゆる性質の物の中へ形作られ、容易には理解できない思考のひとつの大きな混合の中へと包み込まれたのだった。シックというテーマは、又、遊びの中からやって来て、変化するイメージの辛辣なトリップの中に歪められて包含される。私たちの創作にとって、大き過ぎる、飾り立て過ぎる、奇妙過ぎるものは何もなかった。私たちの作品を見て、最初のショックが消えた後、人々は私たちの仕事を理解してくれたように思えた。それが本当であろうと、何であれ、私は幸せだった。多分、この時代は、このようなクレージーな物が、世界中のアーティストと職人たちによって作られ、価値を認められた最後の時代ではなかったかと、私は思う。今日、ダークな考えが全ての領域で幅を利かせているが、私たちの作品は、昔も今も、非常に大きなポジティブな波動を送っている。なぜなら、それらは幸福と愛によって作られているからだ。そこには、時々、悪意や悪魔との関連があるかも知れないが、それは、ちょっと、仄かにスパイスを使ったようなものである。(渡辺純子 訳)
次回へ続く。

トップの写真は、"Safe Sex" (セーフセックス)と名付けられた1987年〜1988年の作品。ニューヨークのバーニーズの展示会の為に制作したもの。

Photo (c) BillyBoy* & Lala 2017. All rights reserved.

ビリーボーイのコスチューム・ジュエリー作品5点が、先日、クリスティーズのオークション「ジュエリーとしてのアート」に出品され、ロンドンのプレスで大評判でした。以下のサイトをご覧ください。

http://www.townandcountrymag.co.uk/style/accessories/christies-launches-art-as-jewellery-sale

http://www.vogue.co.uk/article/a-warholian-tale-of-art-as-jewellery

Mdvanii and all related names and the name of BillyBoy* is the sole copyright and trademark of BillyBoy*, and used with permission click on this link for all copyrights information.

http://www.fondationtanagra.com

ミドヴァニィに関する公式サイトは以下のものです。

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2017年11月16日

シュールレアル・ビジューからミドヴァニィへ(5) Surreal Bijoux - Mdvanii 5

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ビリーボーイの自叙伝的スキャパレッリ研究書「フロッキング・ライフ」(FROCKING LIFE SEARCHING FOR ELSA SCHIAPARELLI)より、第15章「シュールレアル・ビジューからミドヴァニィまで」(Surreal Bijoux - Mdvanii)の翻訳です。


オーブンでジュエリーを焼く

我が家のオールド・ファッションのキッチンで、私たちはジュエリーを作るための真新しい実験をしていた。それは、より装飾品やオブジェ、グリ・グリに関連させた方法によってであった。最初、プラスターを使った。そして、それを、画家スーラが絵を描いていた地として知られるパリ近郊のブージヴァルのイル・ド・ラ・ジャットにあるチャリティー・ショップ「エマオ」で、最初の道具として購入したスイスのルレーブ・オーブンで焼成することを試みる。その結果は、私たちが意図したものにはならなかったが、焼き上がったプラスターは何とも可愛らしく、面白い質感が出ていた。このオーブンでジュエリーを焼くということが、プレスや、私たちの製品のファンから魅惑的だと注目され、ジュエリー制作についての一種の神話が生まれた。

私たちは、ジュエリー、オブジェ、像、そして装飾品といった各ジャンルの間を漂うような、言葉で言い表せない変わった一点もののアイテムを作り出すために、人造宝石やラインストーン、木、偶然見つけたもの、ガラス、金属、やや高価な石、そして貴石など様々な素材を使った。私たちは、クリニャンクールの蚤の市によく通ったものだ。この驚嘆すべき場所には、全ての種類のビンテージ・ビーズが沢山あり、ルーマニア人の姉妹によって売られていた。その品揃えの多種多様性にはビックリさせられる。又、ビーズと小石は、ゴブレット(小さなプラスチックのカップ)に一杯で幾らというように売られていて、お客はゴブレットに好きなビーズや小石を選んで入れる。あっという間に、誰でも、この宝捜しの為にコインを使い果たした。私たちはジャムのジャーを持って、そこに頻繁に出かけて行き、それに一杯になるまで宝物を買い漁ったものだ。因みに、このジャムのジャーには、過去数十年を通して使っていた貴重なストックが入っていて、それらを組み合わせることは本当にスリリングであった。そしてそれは、私たちの創作における重要な役割を担ったのである。(渡辺純子 訳)
次回へ続く。

トップの写真は、"Rakham Le Vert" 「緑色のラクハム」と名付けられた様々なビーズや小石をつかったペンダント・ネックレス。「ラクハム」とは、フランスの人気コミック「タンタン」に登場する海賊の名前。海賊の刀をイメージした作品。

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2017年11月05日

シュールレアル・ビジューからミドヴァニィへ(4) Surreal Bijoux - Mdvanii 4

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ビリーボーイの自叙伝的スキャパレッリ研究書「フロッキング・ライフ」(FROCKING LIFE SEARCHING FOR ELSA SCHIAPARELLI)より、第15章「シュールレアル・ビジューからミドヴァニィまで」(Surreal Bijoux - Mdvanii)の翻訳です。

「モダニズムはとっくの昔に死んだ - ビリーボーイの構成主義・超シュールレアリスム宣言

当時、私は、西洋社会の一員である私という人間の本質が、着用する人を不吉なことから守り、光と愛の極致を求める人を励ます「グリ・グリ」やお守りや魔除けの利用の仕方を忘れてしまったと感じていた。そして、そういう力を持っているのはお守り自体ではなく、その物を作る精神なのだと、私は信じた。そしていまでも相変わらず、そう信じている。私たちは不思議な力を持つ。私たちは、それらの願望を伝えるエネルギー体なのだ。

私は同時に、又、私たちが生きているこの時代、1980年代初頭が、「モダニズム」の誤った考えによって鈍くなっている事実に気づいたことをララに訴えた。1910年代に生まれ、1940年代に絶頂を迎えた「モダニズム」の概念は、既に何十年も前に死んだということを誰も語っていなかった。そうではないか?コスチューム・ジュエリーは、安っぽい金メッキによる決まりきったやり方で作られるようになり、鈍感で平凡なものになった。そう、私は、人々にそのことが理解され、よく知られるように、私の制作方針をより明らかにし、魔術崇拝的な装身具やお守りのコンセプトを作ることを試みる。私は、自分自身が「ザ・サマーランド」にいて、それらを身に着けているのを想像した。こうした想像の中で、私は実に子供っぽく、真剣だった。しかし、それは私の心の底からストレートに湧き出て来るものであった。

私はシュールレアル・クチュールで、相変わらずアンティークの服を着て、ヴィンテージ・ドールを収集していた。又、私は相変わらず、いつもフォーカスしている全ての興味あることをやっていた。それらは「ビリーボーイの構成主義・超シュールレアリスム宣言」の拡張として。しかし、又、それを発展させたバージョンであり、私の人生において最初の本当の愛を込めたものとして。それは私にとって素晴らしいことだった。なぜなら、私が作った物にコンタクトしてきた人々の正しい理解が、それはあたかも、世界が一歩一歩良い方向へ変化して行くように感じられたからだ。又、私は、ソウルメイトであり、偉大な変革者であるパートナーを持っていた事実に、スーパー・ハイな状態になっていたと思う。それは、私にとって、これまで一度も経験したことのない感覚であった。(渡辺純子 訳)
次回へ続く。

トップの写真は、ビリーボーイが1986年に制作した「ベトラヴィサン」"Betteravissant" と名付けられたネックレス。意味は「うっとりするようなサトウダイコン」。

◎只今、クリスティーズのオークションで、今回の写真の作品を含むビリーボーイのコスチューム・ジュエリーが数点出品されています。アーティストが作ったコスチューム・ジュエリー特集であり、パブロ・ピカソ、カンディンスキー、サルバドール・ダリ、マックス・エルンスト、その他の作品も。
以下のサイトでご覧になれます。

https://onlineonly.christies.com/s/art-jwellery/billyboy-b-1960-4/50152

Photo(c)BillyBoy* & Lala 2017. All rights reserved.

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