2018年08月20日

マン・オブ・ザ・イヤー1986に選ばれて Surreal Bijoux - Mdvanii 12

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ビリーボーイの自叙伝的スキャパレッリ研究書「フロッキング・ライフ」(FROCKING LIFE SEARCHING FOR ELSA SCHIAPARELLI) より、第15章「シュールレアル・ビジューからミドヴァニィへ」 (Surreal Bijoux - Mdvanii) の翻訳です。


「マン・オブ・ザ・イヤー1986」に選ばれて

二人のベッティーナたち(伝説のモデル、ベッティーナ・グラツィアーニと、ビリーボーイの伯母でダリやスキャパレッリと親交があったというベッティーナ・ベルジュリー)が、私のジュエリーのプロモートを手助けしてくれたが、ニューヨークに於ける最初の成功はベッティーナ・グラツィアーニのお陰であった。
ある日、彼女は私のジュエリーを身に飾って、ヘンリー・ベンデル(ニューヨークの高級ファッション店)の社長であったジェラルディーヌ・シュトッツとランチへ行った。するとジェラルディーヌは、ベッティーナが付けていたジュエリーに興奮して、100個を彼女の店の為に注文した。何と、彼女たちはランチの最中に直接、私に電話してきたのだ。彼女たちは幾分頑固に要求してきたが、それはとても心地良く、チャーミングであった。どうして断れようか?その結果、ララと私に大きな仕事が舞い込んだ。そして、ベンデルズでのファースト・コレクションは一日で完売する。
作品はプラスターで形を作り、ターコイズ色、フューシャ、ヘリオトロープ、そしてサフラン色のデリケートな色合いで手塗りし、切子面仕上げのクリスタル・ストーンやカボション、シルバー、金色塗料で塗られたチェーンやホイルと組み合わせた。

ララと私は又、エマニュエル・ウンガロ、ティエリー・ミュグレー、ベルナルド・ペリス、ハナエ・モリ、フランセスコ・スマルト、シャルル・ジョルダン、その他多くの異なる国々やデザイナーの為にジュエリーを制作した。
シュールレアル・ビジューは、フランス、アメリカ、日本、イギリス、イタリア、ドイツ、そしてスカンディナヴィアの最もファッショナブルなショップで売られた。それらは、当時の殆どのコスチューム・ジュエリーより高価であった。なお、又、南アメリカの至る所やロシアでも売られた。

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フランスのファッション誌ELLE に掲載された記事 1985年


1986年、イギリスの新聞「オブザーバー」のファッション編集者が、私を「マン・オブ・ザ・イヤー」に選出した。これに付随した記事で、ヴィヴィアンヌ・ベッカーは私のジュエリーを「非常に自由な、そして抵抗できない程面白い」、更に「人生より深く、無邪気で、エキセントリックな、反抗的な」と表現した。私はこの出来事にひどく驚かされ、部分的には光栄に思った。というのは、記事の言い回しから、私は一時的にだが、この年のマンとウーマンの両方の名誉を授かったと思ったからだ。
この賞賛を得たことから、私はイギリスで最もスタイリッシュで優雅な女性の一人であるレディ・ダイアナ・クーパーの会社の仕事に従事させられた。因みに、彼女はヴォーグの寄稿者であり、スキャパレッリの服を着ていた。

私のジュエリーは更に、当時、ニューヨークに於いて気鋭のファッション・ジャーナリストであったジョン・デュークによってニューヨーク・タイムズに歓迎された。彼は常に私の作品を支持してくれていたけれども、私のジュエリーを「とても革新的な」と呼んでくれた彼の嬉しがらせには、本当に驚いた。

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上の写真左 COSMOS 「コスモス」と名付けられたブローチ 1985年
右 UNFOLDING HEART 「広がる心臓」と名付けられたブローチ 1984年


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上の写真左 SCARAB 「スカラベ」と名付けられたブローチ 1986年
右 BIARRITZ 「ビアリッツ」と名付けられたチョーカー・ネックレス 1985年


私の成功は、スキャパレッリの強烈なインスピレーションとスピリチュアル・ガイダンスのお陰であったと感じている。私は常に、私の作品へのポジティブなリアクションに驚かされたが、それはララと仕事をスタートさせた時の驚きよりは小さい。
何はともあれ、私のジュエリーは、あたかも、スキャパレッリがそれらに彼女のウィットや軽やかな楽しみ、華やかさを吹き込んでくれたかのように見えた。
(渡辺純子 訳)
次回へ続く。

トップの写真は、CAILLOU 「小石」と名付けられたブローチ 1983年〜1984年

写真は全て
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http://www.fondationtanagra.com

ビリーボーイのシュールレアル・ビジューについては以下のサイトでご覧になれます。

http://www.mdvanii.ch/en/article/surreal-bijoux-en

posted by sumiko at 19:03| 東京 ☁| Comment(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする