2008年10月28日

ビリーボーイのコスチューム・ジュエリー BillyBoy* Costume Jewelry

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ビリーボーイBillyBoy*は、ハイファッション・ドール、ミドヴァニィMdvaniiを作る前、ジュエリー・デザイナーとして名を馳せた。
1980年代前半のことである。思えば、私が彼とパリで出会ったのもその頃だった。私もビリーボーイBillyBoy*も偶然、パリのモンマルトル地区に住んでいて、私は、時々、彼をパートナーのララことジャン・ピエール・レストラードと住んでいるアパルトマンに訪ね、人形コレクションを見せてもらったり、また、制作中のジュエリーをよく見せてもらったものだった。彼の作るジュエリーとは、貴石を使った優雅な所謂ハイ・ジュエリーとは違う、度肝を抜くような超アバンギャルドな遊び心が一杯、ファッションの一部としてジャラジャラつけるような類のものであった。とにかく、ド派手で、シュールでユーモラス、そして可愛く、ずば抜けてカッコ良かった。
それが、ティエリー・ミュグレーの目にとまり、コレクションでモデルたちが身につけてことから、一躍脚光を浴び、瞬く間にスター街道をまっしぐら。シャルル・ジャルダン、ハナエ・モリ、フランセスコ・スマルト、ベルナルド・ペリスなど有名クチュリエがこぞって彼のコスチューム・ジュエリーを使った。

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上の写真は、ティエリー・ミュグレーのコレクションのショー。1985年。BIJOUX DE HAUTE COUTURE BIJOUX D'ARTISTESのカタログより

さらに、アンディ・ウォーホルやジャクリーヌ・ケネディ・オナシスがビリーボーイのコスチューム・ジュエリーを支持し、頻繁に身につけ、広告塔にもなってくれた。

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上の写真は、「ジャンヌ・ダルク」と名付けられたネックレスを身につけたアンディ・ウォーホル。BIJOUX DE HAUTE COUTURE BIJOUX D'ARTISTES のカタログより

ビリーボーイとララは、パリのラペ通りにあるカルティエ店の隣に、シュールレアル・プロダクション/シュール・ビジュー社を設立。顧客には、女優のエリザベス・テイラーやローレン・バコール、マリサ・ベレンソン、ローレン・ハットンの名が挙げられた。
そして代表作はパリのルーブルやニューヨークのメトロポリタンの各ミュージアムに収蔵されるなど、ジュエリー・デザイナーとして大きな成功を収める。

ビリーボーイBillyBoy*のコスチューム・ジュエリーは、欧米や日本の有名デパートとブティックなどで販売され、絶大な人気を得たが、ミドヴァニィMdvaniiの制作が開始された1988年には、ジュエリーの制作に終止符が打たれ、その後は例外的に、SW JAPANの為に2度限定制作が行なわれた他、決して作られることはなかった。

さて、今や、伝説的なものとなっているビリーボーイBillyBoy*のコスチューム・ジュエリーであるが、今年あたりから、にわかに、コレクターズ・アイテムとして注目を集めている。
今年4月に、パリのオークションハウスで行なわれた「オートクチュールとアーティストによるコスチューム・ジュエリー BIJOUX DE HAUTE COTURE / BIJOUX D'ARTISTES」というオークションに出品されたビリーボーイBillyBoy*の作品が、その殆どが、予想値を上回る高値で落札されたのだ。因みに、ブローチが10万円以上、ネックレスが32万円以上など。

こうした状況を踏まえ、私、SW JAPANが、長年個人的に集めたもの、そして在庫としてあたためていたビリーボーイBillyBoy*のコスチューム・ジュエリー作品を、当プログで、公開し、あらためてその魅力の真髄を考察して行きたいと考えた。

また、これをきっかけに、現在、販売可能な作品を紹介するビリーボーイ・コスチューム・ジュエリー・カタログを作成中である。
ご希望の方は、下記までご連絡ください。

info@swjapan.net

●トップの写真 クッキー・モンスターCookie Monster
レジン製のブローチとイアリングのセット。最も有名なビリーボーイ・ジュエリーのモチーフのひとつである。ゴールドに塗られたレジン製の下地にラインストーンとビーズが埋め込まれている。ビリーボーイのユーモアのエッセンスがぎゅっと詰め込まれた伝説的な作品。ブローチの横幅は約6cm。1980年代後期。

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マンドラゴラ Mandragora
「マンドラゴラ」とは、根っこが人間のような形をしている植物。引き抜くと世にも恐ろしい悲鳴をあげると伝えられている。根は有毒で催眠剤に使われ、また、ヨーロッパの伝説によると魔女の薬とも言われているらしい。このマンドラゴラをモチーフにしたイアリングとブローチのセット。レジン製。赤いプラスティックが埋め込まれ、周りがゴールドとシルバーに彩られている。最初期の作品で、非常にインパクトがあり、ユーモラスであると同時に恐ろしく美しい。イアリングの長さは約9cm。1980年代中期。

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黄金時代 The Golden Age
1930年代にダリとブニュエルが共同で作った映画「黄金時代」からインスパイアーされたレジン製のブローチ。ゴールドの手のひらに、赤いラインストーンの涙、その周りにグリーン、ブルー、レッドに塗られたメタル製のアリが3匹とまっている。シュールでユーモラス、そして非常に人目を引く。手の長さは約11cm。1980年代後期。

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●写真上 ジャン・コクトへ捧ぐ Hommade to Jean Cocteau
ジャン・コクトーの絵の人物像からインスパイアーされたレジン製のブローチ。黒く塗られた横顔に、ゴールドで髪のラインと目が表現され、パールのネックレスがついている。シックでユーモラスな最初期の人気作品のひとつ。長さ約6cm。1980年代中期。

写真下 マン・レイへ捧ぐ Hommage to Man Ray
1934年に発表されたマン・レイの有名な天空に浮かんだ大きな唇の絵「天文台の時間ー恋人たち」からインスパイアーされたレジン製のブローチ。濃いワインレッドのセクシーな唇。横幅約6cm。

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●写真左 魔法のような緑色のタコ Magical Green Octopas
西洋では嫌われ者のタコだが、ビリーボーイBillyBoy*にとってはお気に入りのモチーフ。レジン製。ラインストーンの目に小さなパールとラインストーンの吸盤がついた緑色に輝く魔法のようなタコのブローチ。約8cm。1980年代後期。

写真右 タツノオトシゴ Sea Horse
非常に美しくカワイイ緑色に輝くタツノオトシゴのブローチ・レジン製。レインストーンの目にパールの尾(?)がついている。約9cm。1980年代後期。

ビリーボーイBillyBoy*のコスチューム・ジュエリーは、どれも明るさと喜びに満ちている。そしてそれを身につける人を元気にし、周りの人々を楽しませる。不安とストレスの多い現在社会に生きる私たちが、求めてやまないものを、彼のコスチューム・ジュエリーは与えてくれるように思う。

次回に続く。 

Mdvanii and all related names and the name BillyBoy* is the sole copyright and trademark of BillyBoy* and used with permission click on this link for all copyright information.

http://www.fondationtanagra.com
   
posted by sumiko at 23:24| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BillyBoy* Jewelry | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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