2009年08月20日

エニグマ ENIGMA

enigma 3 blog.jpg

摩訶不思議なマリンブルーの空間に浮かぶ古代エジプト風の衣装を身につけたミドヴァニィ。その下方には、宇宙人めいた全身ターコイズブルーに塗った、頭部にゴールドのアンテナをつけた2体のミドヴァニィが見える。何とも奇妙な写真に見えることだろう。
実は、この写真は、操作を誤って二重撮りしてしまったものなのだ。しかし、その偶然の効果が作品のテーマにマッチしていて、シュールで美しく見えたので、敢えて、ここに披露した。

撮影したのは2001年、スイスのイヴェルドンにあるサイエンス・フィクション専門のミュージアム La Maison d'Ailleurs で開催された「ミドヴァニィ、地球の思い出」展の会場。「エニグマ」を撮影したフイルムをカメラから取り出し、それを誤って再びカメラに入れ、知らずに別の作品を撮った結果であった。

enigma 1 blog.JPG enigma 2 blog.JPG enigma 4 blog.jpg

「エニグマ」ENIGMA: その意味を直訳すれば「謎めいたもの」。まさに、その名のごとく、非常にミステリアスで、これまでのミドヴァニィの制作コンセプトから大きく飛び出し、宇宙へ吹き上げるようなエネルギーと斬新な魅力を持つ作品だ。
近未来的な女性像を表現しており、金属と薄い麻布で作られた古代エジプト風の衣装をまとった2体のポーセレン製ミドヴァニィが、未来的なオブジェ(高さ約150cm)の中に立っている。内側をマリンブルーに、外側をブラックに塗った木製の箱、同じくマリンブルーに塗られた流木を屋根のように乗せ、黒く塗った石が4つ、意味ありげに箱の上と内部に置かれている。そして、シルバーメタルの立方体がそれらの基底部をなっている。2体のミドヴァニィは、完全に、この大きなオブジェの一部であり、全体でひとつの世界を構成しているのだ。
これを「アート」と呼ぶ人もいれば、「人形だ」と言うひともいることだろう。私には、そのどちらでもあるように思え、そしてどちらでも良いと思う。只、言えるのは、そこにいるミドヴァニィたちが、見るものに、手に取ってみたくなるような可愛らしさといとおしさを感じるさせるということだ。それが、彫刻のような所謂「アート」とは違うところだと思う。

enigma 5 blog.JPG enigma 6 blog.JPG enigma 7 blog.JPG enigma 8 blog.JPG

2体のミドヴァニィは、まるで姉と妹のように見える。姉は、薄い麻布の上にゴールドメタルの小さくて平べったいチューブをチェーンと糸で丹念に繋ぎ合わせたぴったりした足首までのシーススカート、一方、妹は、古代エジプトの文字が彫られた台形のゴールドメタルを繋いだミニスカートをはき、共に、レジンで作られた内臓感覚の、淡いブルーとゴールド又はカッパー色に塗られたブラをつけ、淡いブルーのプラットフォームシューズを履いている。
頭部はパール塗料で彩色され、頭の上には淡いブルーとゴールドに塗られたお椀を伏せたような形の宇宙と交信するアンテナが取り付けられている。
淡いバイオレットの仮面のようなメーク。バイオレットの瞳にダークバイオレットのリップスとネイルス。
彼女たちは、地球にやってきたエイリアンの姉妹のように見える。しかし、それと同時に、彼女たちの静かな顔からは仏像に通じるものが感じられ、どこか懐かしく、そして悩ましい。私が最も愛して止まないミドヴァニィ作品である。

人形はフランス・セーブルのポーセレン製。衣装は布、金属、樹脂。 オブジェは木、金属、石。
2001年制作 個人蔵

中段の写真向かって左の2点は、Photo (c) Hiroshi Noguchi Flowers

その他は、Photo (c) Sumiko Watanabe

Mdvanii and all related names and the name of BillyBoy* is the sole copyright and trademark of BillyBoy* and used with permission click on this link for all copyright information.

http://www.fondationtanagra.com

posted by sumiko at 00:26| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Porcelain Mdvanii | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック