「お金に糸目はつけないから、世間の人をびっくりさせるような究極のものを作って送って」といったかどうかは覚えていないが、1991年、ビリーボーイ BillyBoy* から本当に驚くべき作品が送られてきた。
届いたのは、天下無敵のウルトラ・ゴージャスなディー!
本物のガーネットやシルバー、アンティーク・ガラスのビーズがびっしり刺繍されたバイオレットのシルクのボレロ・ジャケットにお揃いのビスチェ・ドレス、やはりバイオレットのシルクのペチコート、そして、ペール・バイオレットのシルク・ストッキングに手袋。試しに、ボレロ・ジャケットを脱がせてみた時、あまりの重さにびっくりした。
ディー Dheei 「24時間のシック Vingt-Quatre Heures de Chic」は、1991年に制作された驚異の一点もの特別作品である。
彼女には24時間シックでいて欲しいと、前述のバイオレットのアンサンブルの他に、彼女のライフスタイルを暗示する2着のドレスと、それらにマッチしたジュエリーや小物がデザインされた。
夜会用のシックな装い:淡いベージュのジョーゼットのイブニング・ドレスに同色のシルク・ストッキング、手袋、イブニング・パース、パールのイアリングとネックレス、ゴールドのバロック手鏡とハンガー。
昼間のシックな装い:ネイビーと白のリバティー・プリントのデイ・ドレスに、ブライト・イエローのシルクのジャケット、ドレスとお揃いのスカーフ、白いシルク・ストッキング、ネイビーのトークハット、手袋、ハンドバッグ、イアリング、ネックレス、三日月型のブレスレット、ゴールド・メタルのハンドバッグ、香水瓶。
その他、ウィッグ・スタンド、ゴールドのエンジェル像、ゴールドの壁飾り、ペンダント・ネックレス、パース2種、シルバーのカフス・ブレスレット等という品揃えである。
ドレスは全てディテールにいたるまで、オートクチュール仕立てというこだわりよう。
20世紀フランスの服飾文化の粋が、箱の中の小さな世界に凝縮されたような極めてディープな作品である。
まさに、ウルトラ・シック!ウルトラ・ゴージャス!
ファッション・ドールというジャンルにおいて、私は、後にも先にも、このようなキチガイじみた作品を見たことがない。
個人蔵
Photo (C) Sumiko Watanabe
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