2019年04月29日

ミドヴァニィのポートレート by ルネ・グリュオー Surreal Bijoux - Mdvanii 19

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ビリーボーイの自叙伝的スキャパレッリ研究書「フロッキング・ライフ」(FROCKING LIFE SEARCHING FOR ELSA SCHIAPARELLI) より、第15章「シュールレアル・ビジューからミドヴァニィへ」(Surreal Bijoux - Mdvanii) の翻訳です。


ミドヴァニィのポートレート by ルネ・グリュオー

フランスの伝説的ファッション・イラストレーター、ルネ・グリュオー(1910年〜2004年 ディオール、ジバンシー等の広告で有名)が、ミドヴァニィのポートレートを描いた(トップの写真)。私たちは彼女の全てのパッケージに、このグリュオーによるアートワークを使用する。又、彼女のウィッグは、当時パリ美容界の大御所であったアレクサンドル・ド・パリがデザインしたものであった。ミドヴァニィの箱には、アレクサンドル・ド・パリの為にジャン・コクトーが1960年代に描いたイラスト(下の写真)がプリントされている。

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ミドヴァニィのワードローブに関して、私は高い基準を持っていた。そしてそれは、私が満足できるクオリティーに達するまで何度も試作を繰り返した。人間の着るオートクチュールドレスをミドヴァニィ・サイズに縮小するという冒険は、フランスのアーティストと腕の良い職人たちにとってさえも困難を極めたチャレンジであった。彼らは皆、それはあまりにも小さ過ぎると言った。しかし最終的に夢は実現したのである。
パーフェクトにフィットしたジャケット、総裏付きの衣服(袖やパンツも含む)、そしてシーム入りのストッキングさえも、まさにオートクチュール衣服のように布地のラベルが付き、各々に手書きのナンバーが入れられた。

にこやかに笑うバービーとは違って、ミドヴァニィは笑わない。彼女は完全によそよそしく見え、内省的で、どことなく倦怠感を漂わせているシックな女性たちの仲間であった。私は最終的に、私が常に望んでいた陰陽のセルフポートレート、アンチ・ブルジョア(中産階級の俗物的な平凡で保守的なものとは相反する)イメージを完成させた。

ミドヴァニィは多くのゲイ男性に支持され購入されたが、おかしなことに、私に手紙をよこしたり、電話を掛けてきたり、私のプライバシーを侵害するような者は誰一人いなかった。彼らは皆、只、ミドヴァニィだけの身元を明らかにしようとするかのように見えた。なぜなら、彼らは彼女になりたかったからだ。全てのゲイ男性のヒロイン、ガルボとディートリッヒからラナ・ターナーとエヴァ・ガードナーまでの足跡を信奉するように。そして彼らの中の何人かは、彼らの人形を作ることを企てたり、しばしばくだらないディーバや又は単純にミドヴァニィのイミテーションだったりしたが・・・・・・。それはメジャーな玩具会社でさえも、このような真似をしたのだった。更にある者たちは、ミドヴァニイの型取りをしただけの安っぽいフェイクを作った。誰もが如何にフェイクを望むのか!私を超えて。

なお、ミドヴァニィ現象の良い面においては、多くの男たち(大抵はゲイ)が、そして時折は女性たちが、大きな商業的な会社の為にドールデザインという仕事をするようになって行った。そして全体的なファッションドールのクオリティーは改善され、それは以後ずっと続いている。

ララはよく私と共に世界中のトイストアへ行ったものだった。そして、ミドヴァニイにインスパイアーされた箱に入った人形たちを見て、言ったものだ。「見てごらんよ。彼女はベーシックな黒いドレスを着て、手袋をはめ、ストッキングをはいている。この人形は『有難う、ミドヴァニィさん』と言うべきだ。
その後ずっと何年もの間、多くの人々が私に、ミドヴァニィがどれほどドールデザインをする人々や彼らの人形、そして彼らのキャリアの選択に影響を与えたかと話してくれた。それらの中には私と仲が良いドールデザイナーたちもいて、彼らは私に彼らのストーリーを語る。それは誠実でチャーミングだ。そして私は、ミドヴァニィがドールゲーム全体に何かをもたらしたことを知って楽しく思う。
(渡辺純子 訳)
次回へ続く


Mdvanii and related names and the name of BillyBoy* is the sole copyrigt and the trademark of BillyBoy*, and used with permission click on this link for all coptrights information.

http://www.fondationtanagra.com

ビリーボーイのシュールレアル・ビジューのサイト
          ↓
http://www.mdvanii.ch/en/article/surreal-bijoux-en

posted by sumiko at 16:36| 東京 ☁| Comment(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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