2019年07月25日

ミドヴァニィ・ブティック Surreal Bijoux - Mdvanii (22)

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ビリーボーイの自叙伝的スキャパレッリ研究書「フロッキング・ライフ」(FROCKING LIFE SEARCHING FOR SCHIAPARELLI) より、第15章「シュールレアル・ビジューからミドヴァニイへ」(Surreal Bijoux - Mdvanii ) の翻訳です。


ミドヴァニィ・ブティック

私たちは「ミドヴァニィ・ブティック」と名付けたスキャパレッリ風のギャラリーを、高級なアンティーク店やアートギャラリー、パコ・ラバンヌの店、有名なベーカリー等が立ち並ぶパリのシェルシェ・ミディ通りにオープンした。ドアにはショッキングピンクのグーン(私のシンボルであり、時間と空間を漂う私の魂の象徴)の形をした取っ手を付けた。そしてウィンドウの上にはアンリ・マチスの「奢侈、静けさ、そして快楽」という絵の題名を言い換えた「奢侈、人形、快楽」という文字をステンシル・プリントした。因みに、マチスのこの絵のタイトルであるが、それはシャルル・ボードレールの詩集「悪の華」の中の「旅への誘い」から来ている。

La, tout n'est qu'ordre et beaute,
Luxe, calme et volupte.

There, all is order and beauty,
Luxury, peace and pleasure.

そこにあるのは秩序と美、
奢侈と静けさと快楽。

ミドヴァニィ・ブティックは通りに面した部分にギャラリーとオフィス、そして奥に作業場を備えるという構造であった。ギャラリーは完全にショッキングピンク。大分昔にスキャパレッリの店から貰ったオールドストックのショッキングピンクのファブリックを天井の中心点から壁一面にドレープをつけて吊り下げ、まるでサーカスのテントのようにしてみせた。フランスの「ビッグ・トップ・サーカス」のように。そして勿論、それはスキャパレッリの1930年代の「サーカス」コレクションへのオマージュであった。
ショッキングピンクの花輪とバイオレット色のシルクの花が部屋の周り中に吊り下げられた。床はビビッドなショッキングピンクのウールのカーペットが敷かれ、そこには素敵なアトリエ・マルチーヌ家具の一組と、本物からインスパイアーされショッキングピンクに塗ったカスタムメードの家具等が置かれた。

   mdvanii boutique 2.jpg

私は毎日、スキャパレッリの香水を吹きかけた。有名な「ショッキング」だけでなく、「スリーピング」、「S」、「フリッパント(軽薄な)」、「ズット(ちぇっ)」、そして珍しい1950年代から1960年代の「スィ(もし・・・・ならば)」や「スナフ(吸い込む)」さえも匂わせた。
そしてジュリエット・グレコが歌うアンリ・ソーゲ(フランスの作曲家 1901年〜1989年)の「スィ」を、スタッフの一人が「もう止めて欲しい」と言うまで一日中何度も繰り返しかけた。彼に私は、エンドレスに繰り返される「スィ」によって皆を洗脳することを試みているんだと説明した。彼はとりあえず私の言う事を疑わなかった。
(渡辺純子 訳)
次回へ続く

Photo (c) Sumiko Watanabe

Mdvanii and all related names and the name of BillyBoy* is the sole copyright and trademark of BillyBoy*, and used with permission click on this link for all copyrights information.

http://www.fondationtanagra.com

ビリーボーイのシュールレアル・ビジューのサイト

http://www.mdvanii.ch/en/article/surreal-bijoux-en

posted by sumiko at 12:09| 東京 ☁| Comment(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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