2014年12月07日

アールデコ・ファッションをまとう人形 ジビ「花火」 ZIBBI "Feu d'Artifice"

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アールデコのファッション・プレートから抜け出てきたような、この魅惑的な人形。彼女の名は「ジビ ZIBBI」という。
ビリーボーイのドール・クリエーションの中でも、とりわけ制作数が少なく、伝説的なファッションドールと呼ばれているのが彼女。
1920年代のフランスのブドワール人形(女性の寝室や居間のソファ等に置く、大人のスタイルをしたファッショナブルな人形)の伝統的スタイルを受け継いだハイ・ファッションドールである。1994年に25体、そして1996年に27体制作された。

ジビの身長は約70cm。頭部、手、足が手仕上げのレジン製。胴体部分がキッド革(子ヤギの革)で作られている。
衣装には、ビアンキニ・フェリエ社のゴールドやシルバーのラメ地等を含む20世紀初頭からアールデコの時代までの貴重なファブリックが惜しげもなく用いられ、それらによるオートクチュール仕立てのドレスは、ポール・ポワレ、ジャンヌ・ランバン、マダム・パキャン、ジャン・パトゥー、ワース、スキャパレッリ等、1920年代の有名クチュリエの作品を喚起させる絶品揃い。又、ジュエリーには、1920年代のシャネル(グリポワ)のパールやビーズ等がふんだんに使われている。

今回、ご紹介するジビは1994年の初版のひとつで、「花火 Feu d' Artifice」という作品名を持つ。
彼女が着ている白黒のフリンジ・ドレスには肩から胸にかけて、フランスの有名刺繍作家であるキャロリーヌ・ルーセルによる鮮やかな刺繍が施されていて、このドレスの魅力を増幅させている。

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その上には、ゴールド・ラメの裏地が付いた黒いシルクのケープ。そして頭部には羽根飾りの付いた黒いヘアーバンド。その正面には、シャネルのサインが刻まれたジュエリーが付いている。
装身具はパールのイヤリングとネックレス。

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そして付属品には、ピンクの煙草が6本入った黒いエナメルのシガレット・ケース、ゴールドの長いシガレット・ホルダー、灰皿、マルチーヌ・スタイルの図柄が描かれた銀色の扇、そしてシルバーのメタル製メガネが含まれていた。

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彼女のヘアーは、赤茶にシルバーのメッシュのスタイリッシュなショート・ボブ。そして赤色サンゴ色のリップスとネイルス。1920年代のエキセントリックでお洒落な女性像が表現されている。
そして、彼女の誘惑的な眼差しからは、どこか日本の浮世絵の美人に通じるものを感じるのだが・・・・・・。

このジビを含め、全てのジビ・ドールたちは、20世紀ファッションの輝ける時代、創造的革新性の豊かな1920〜1930年代アールデコの時代へのオマージュであると同時に、アーティスト、ビリーボーイの時代を超えた美へのこだわりと独特の感性が形になったものと言える。

因みに、下の写真は、1997年12月、名古屋パルコにて開催された「ジビのアールデコ・ファッション展」のパンフレット。展覧会は大成功を収めた。

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ところで、このジビを含むビリーボーイのドール・クリエーション(ミドヴァニィ、ディー、イーディ、男性人形たち)のオークションを、来る12月20日(土)に開催します。ご興味ある方には、オークション・カタログをお送りしますので、当ブログ管理人までご連絡ください。

Email: sumikowatanabe@lime.ocn.ne.jp


Photo (C) Sumiko Watanabe
 
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ミドヴァニィの公式サイトは↓
 
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2006年12月27日

レヴェイヨン Reveillon

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今年も残り僅か。あと数日で大晦日を迎え、そして新しい年がやって来る。
タイトルの「レヴェイヨン Reveillon」とは、クリスマスイブや大晦日の真夜中にとる祝いの夜食とか、夜通しの祝宴を意味するものだ。
クリスマスイブは、さておき、これから迎える大晦日のムードを盛り上げるために、とっておきのジビZIBBIの名品「ウィーンのレヴェイヨン = ウィーン分離派へのオマージュ 1918, Reveillon a Vienne - Hommage au Wiener Werkstatte-1918 」を紹介したいと思う。
因みに、「ウィーン分離派 Wiener Werkstatte」とは、アールデコの先駆けとして知られるウィーンの美術流派。

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彼女は、アールデコの時代の文化やファッション、アートをテーマにビリーボーイ&ララBillyBoy* & Lalaによって作られた芸術性豊かな人形である。
身長は、約70cm、頭部と手足はレジン製、胴体部はキッド革製、細長いシルエットが特徴だ。

このジビZIBBI「ウィーンのレヴェイヨン = ウィーン分離派へのオマージュ1918 Reveillon a Vienne - Hommage au Wiener Werkstatte 1918」は、1994年に発表されたジビZIBBIの初版シリーズ25体のうちのひとつ。

ブルーとインディゴのメッシュのショートヘアー、細い眉に真紅の口紅、そしてどこか思わせぶりな流し目....、気品があり、ミステリアス、息を呑むような美しさだ!!
アールデコの時代のモダンでエキセントリックな美しい女性像が見事に表現されているように思う。

彼女がまとっている白とシルバーのシルク・ウールのニットドレス、そこには、パリで最も人気のある刺繍アーティストのひとりとして知られるキャロリーヌ・ルセル Caroline ROUSSEL によるアールデコ・モチーフの刺繍がほどこされており、メタルシルバーのラメ糸で編んだ胸当てが付けられていて、そのうえには20世紀初頭に作られたという水銀製の珍しいボタンが付けられている。
そして、彼女が首から下げているオリエンタル調の装身具は、シャネル(グリポワのデザイン)のもの。
ドレスにマッチしたシルバーのラメ糸で編まれたベレー帽、フード付きのグレーのロングコートは、シルク・カシミア・ウールの混紡で、エルメスの布地が用いられたものである。そして、コートの裏地には、白とシルバーのブロケードが使われている。何という贅沢さであろう!しかし、一見、地味に見えるところがいい。こういうのを究極のシックというのかも知れない。

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このほか、彼女の付属品として、シルバーの縁飾りがついた黒革製のハンドバッグ(中に小さなべっ甲の櫛が入っているという芸の細かさ!)、そして、レヴェイヨン Reveillon のための、ウィーン分離派スタイルの模様が描かれた磁器製のティーセットなどがある。この無邪気で可愛らしい模様は、ビリーボーイBillyBoy* によるものだ。彼女は、日本に来て以来毎年、レヴェイヨンには、このティーセットを愛用している。

美しい人形を鑑賞しながら、大晦日のレヴェイヨンと洒落込んで、年越しそばを食べるのも悪くないかも。。。。

どうぞ良いお年を!


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2006年03月30日

ZIBBI ネグレスコのジビ Negresco

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アール・デコの時代には、芸術家に庇護を与え支援する、財力と知性、そして優れた美的センスを持つパトロネスが多く輩出した。

ココ・シャネル、ペギー・グッゲンハイム、ナンシー・キュナード、ミシア・セール、シャルル・ド・ノアイユ子爵夫人等など。彼女たちは、皆、強烈な個性の持ち主であり、又、ファッション・リーダーでもあった。

そうしたパトロネスの中でも私が特に惹かれるのが、当時の社交界随一の変わり者と言われたカサッティ侯爵夫人だ。彼女は、世紀末耽美派の代表格であるイタリアの詩人で小説家、ダンヌンツィオ(1863〜1938年 戯曲「聖セバスティアンの殉教」など)のパトロネスとして知られていたが、私が注目したのは、以下に引用する彼女のファッション・センスである。

顔を死人のように青白く、髪は、オレンジ色で、目にはベラドンナを塗って大きくして、濃く黒くアイラインを入れていた。皮紐につないだ豹を連れたり、又、贅沢に着飾った黒人の召使を連れてローマの街を歩きまわったといわれている。(「風俗史からみた1920年代 狂気と不安定の時代」青木英夫著 源流社)
何と痙攣的な美のイメージであろう!!

また彼女以外では、フランスのトゥーロン港の潜水艦で暮らしたといわれるプリンセス・ミューラと呼ばれた謎の貴族女性(ジビ「マハラジャ」の隠されたテーマでもあった)。
彼女もまた私の想像力をかきたてる。

ビリーボーイが作ったジビ・ドールには、1920年代のこうした自由でエキセントリックな美しい女性たちのイメージがよく反映されている。

前置きが長くなったが、今回紹介するジビ「ネグレスコ」は、1913年にフランスのニースにオープンした豪華ホテル「ネグレスコ」を題材にしたものだ。
因みに、ホテル・ネグレスコは、エッフェル塔を設計したギュスターブ・エッフェルやエドゥアール・ニールマンなどの才能豊かな建築家や芸術家が、設計デザインを手がけたと伝えられる。

ジビ「ネグレスコ」は、アール・デコのファッション・プレートから飛び出してきたような典型的なボート遊びスタイルだ。
白黒ストライプのコットンのほっそりしたくるぶし丈のスカートに、白いコットンのトップ、ブルーのシルクサテンのセーラー・ベスト、ブルーグレーのテーラード・ジャケット、黒いベルベットが巻かれたストロー・ハット、ブルーグレーのストッキングに白黒コンビの粋なローヒール・シューズ。
非常にクールでシックな装である。

そしてエキセントリックなブルーの髪と妖しい目つきが、実にイイ!!
ノンシャランとしたムードで海岸を散歩している彼女、「ネグレスコ」の名に恥じないジビの名作だと思う。

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2006年03月15日

ZIBBI クラブ「オアシス」のジビ L'Oasis

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20世紀初頭のカリスマ・ファッション・デザイナー、ポール・ポワレは、1921年、自宅の庭に「オアシス」という名のクラブを作った。そこでは毎週、奇抜な催し物やパーティーが開かれ、パリ中のお洒落なセレブや、イベット・ギベール、アリステッド・ブリュアンなどの有名芸人やアーティスト等が集ったと伝えられる。

写真のジビは、このクラブ「オアシス」を題材にした極めて美しい名品である。
アール・デコのブラック・ベルベットとゴールド・ラメでできているグラマラスな夜会服をまとうジビ。フューシャ色のシルクジョーゼットの袖にブルーグレーのストッキングというカラーコンビネーションもため息が出るほど美しい。また、1920年代の本物のャネルのイアリングを利用したペンダント・ネックレス(トップに蝶をイメージしたと思われる赤とクリアのラインストーンから成るシャネルのイアリング、それが淡水パールの何重にも巻かれたネックレスにぶら下がっている)も呼び物だ。

漆黒のボブ・ヘアーにグレーのアイシャドー、真紅の口紅。ミステリアスで思わせぶりな眼差しが、何とも悩ましい!!

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2006年03月05日

ズズ ZUZU Back from Kenya

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ゼブラ模様のドレスに身を包み、ペットのトラの子を連れて散歩している黒人美女、彼女の名は「ズズ ZUZU」という。サイキックなパワーを持つアフリカのプリンセスだ。

これまで制作されたビリーボーイ&ララのドール・クリエーションの中で、最も驚嘆すべき人形が、このズズZUZUであると、私は見做している。彼女は、ダイナマイト級の迫力と気品をそなえた黒い女神だ。

ズズZUZUは、ジビZIBBIの黒人の親友という設定のもとに1997年、3体のみ実験的に制作されたビリーボーイ&ララのドール・クリエーションの中で最も珍しい人形である。これまで、実物を公開する機会は一度しかなかったため、ジビZIBBIのコレクターでも彼女の存在を知るひとは少ない。そこで、人形を愛でる特別の日である3月3日の「桃の節句」の晩に、彼女を当ブログで披露しようと思いついた。結局2日遅れとなってしまったが、ここに、麗しき黒き女神、ズズZUZUを紹介する。

3体制作されたズズZUZUの中で、最も大作なのが、写真の作品「バック・フロム・ケニア Back from Kenya」だ。アフリカをテーマにした究極の作品であり、彼女のボディは、レオパード・プリントのベルベット製。白黒のゼブラ模様のベルベットのジャケットとフレアスカート、真っ赤なシルクの衿とトリムが利いている。中にはダークオレンジのブラウス。衣装とお揃いのバンドリエール(ポシェット)とゲートル、2種類のネックレス、オランウータンの黒い毛皮を使った一種の冠、スエード製の手袋、動物の骨で作られた杖、アフリカン・スタイルの陶器の壷、ポプリの入ったバスケット、黒・金・白の陶器の皿、小さなスーツケース、フェイクファーのストール、その他の付属品が含まれている。何と言う贅沢さ!

ズズZUZUは、ビリーボーイ&ララの人形作品の中で傑作中の傑作だと思う。
そのこだわりを持った作りからは、一種の狂気さえ感じられる。テーマは人類発祥の地、アフリカ。現人類全ての母と言われる一人のアフリカ女性、グレート・マザーの魂が乗り移ったようなパワフルで霊的な作品である。彼女を所有するには、相当の覚悟が必要だろう。

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2006年03月01日

アール・デコのミューズ

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ミドヴァニィとは別のハイファッション・ドール、「ジビ ZIBBI」。勿論ビリーボーイ&ララによるものであり、1994年と1996年に合わせて52体しか制作されなかったミドヴァニィよりも希少価値の高い伝説的なファッション・ドールだ。

ジビは、身長約70cm。頭部と手足がレジン製。胴体部は、キッド皮(小ヤギの皮)で作られている。1920年代のフランスのブドワール・ドール(女性の寝室や居間のソファなどに置く大人のスタイルをしたセクシーでファッショナブルな人形)のスタイルを踏襲したもの。
彼女たちは、アール・デコの時代のファッションを反映したドレスをまとっており、それらのドレスには当時の貴重なファブリックが用いられ、又、装身具には、やはり1920年代の本物のシャネルのジュエリーの部分が利用されているというのが、見どころである。

顔立ちは、非常にエレガントでエキセントリック、1体1体がそれぞれの個性を持っており、ピンクやシルバー、ブルー、ブラックなどのヘアー・カラーがある。

ジビは、人を虜にする極めて強い魔力を持っている。
現在、9体の在庫があり、このたび、それらを紹介するカタログを作成した。

このブログをご覧になった方で、彼女たちの魔力に触れてみたいという方には、カタログをお分けします。
ご希望の方は、下記までご連絡ください。

info@swjapan.net

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