2016年11月12日

パリジャン・オートクチュールへのオマージュ 「ヘルメスの羽根」ミドヴァニイ  "Ailes D"Hermes" Mdvanii Homage to Parisien Haute Couture

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深まりゆく秋、シックでエレガントな飛び切りのカクテル・スーツに身を包んだミドヴァニィ。本作品は、作者ビリーボーイがパリ・オートクチュールへ敬意を表して制作したもの。「ヘルメスの羽根 Ailes D'Hermes」と命名され、1993年秋冬コレクションとして発表された。貴重な高級素材を用いたオートクチュール仕立ての衣装とグラマラスなメーキャップが特徴であり、世界中のミドヴァニィ・ファンを虜にした。

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彼女が着ているのは、鶯茶色(褐色がかった黄緑色)のシルクタフタで作られ、白地にシルバーの錦模様が入ったシルクの布地(1910年代にポール・ポワレが実際に使用したというイタリアの有名生地メーカー、ビアンキニ・フェリア社のもの)による衿とカフスが付いたテーラード・ジャケットに、衿とカフスと同じ布地のシーススカート。そして、ゴージャスでグラマラスな黒いカクテル・ハットは、本物のマラブー(アフリカコウノトリの柔らかい羽毛)でできている。そのほか、黒い手袋、黒いエナメルのハイヒール・パンプス。装身具には、白いスズラン型の手吹きガラスによるイヤリング、ゴールドのネックレス、ゴールドのカフスブレスレットがコーディネートされており、更に付属品として、ポール・ポワレのオリエンタル趣味を反映したシルバーの地にピンクの花が手彩色された扇が含まれている。

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ヘアースタイルはブラウンのボブ。メーキャップはブラウンのアイシャドーに艶やかなコーラル・リップスとネイルス。クールでグラマラスなレジン製ミドヴァニィの魅力が濃縮された美しい顔である。

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「ヘルメスの羽根」ミドヴァニィは、全部で25体制作され、それぞれ異なるメーキャップと、カラー・バリエーションのあるボブ・ヘアー、そして数種類の布地のバリエーションがあるカクテル・スーツを纏っていた。

因みに、今回ご紹介の「ヘルメスの羽根」ミドヴァニィは、No.10
一点ものの布地を用いて作られたカクテル・スーツを着ており、25体の中でも、とりわけ希少価値の高い、まさにパリジャン・オートクチュールを纏う極めてファッション性に優れた逸品と言える。
彼女の美しいイメージが伝われば幸いです。

人形本体はレジン製
1993年制作

◎本作品は、現在、入手可能です。ご興味ある方は、管理人までご連絡ください。

Photo (c) Sumiko Watanabe

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http://www.fandationtanagra.com

ミドヴァニィに関する公式サイトは以下のものです。

http://www.mdvanii.ch/en/mdvanii/

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2014年09月19日

「ドミノ」ミドヴァニィ "Domino" Mdvanii

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秋祭りの季節である。
お祭りと言えば、ピンク色の大きな綿あめ。独特の甘く香ばしい香りがノスタルジックな思い出をよみがえらせる。

1992年に発表された「ドミノ Domino」と呼ばれた美しいミドヴァニィは、まさにピンク色の綿あめを想わせるビーハイブヘアーが特徴だった。それは、パリ美容界の大御所であった故アレクサンドル・ド・パリのデザインによるものであり、1960年代のムードが漂う。

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彼女が着ているのは、白地に黒い花柄プリントのシースドレス。腰の部分にピンクのリボンがアクセントに付けられ、小粋な黒いシルク・ジョーゼットのスカーフを首に巻いている。そして白いストッキングと手袋、黒いハイヒール・パンプス。装身具は、ゴールドと白のビーズによるイヤリングとゴールドのチェーンにハート型のペンダントトップがつけられたネックレス。濃いコーラル色の口紅がグラマラスなムードを増幅させている。

「ドミノ」と名付けられたミドヴァニィ作品には、数種類のバリエーションがあった。1992年の"Exclusive Representatives"カタログには、以下の通り3体の「ドミノ」ミドヴァニィの写真が掲載されている。

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黒いビーハイブヘアーに白いシースドレス、同じく黒いビーハイブヘアーに黒地に白いプリントのシースドレス、そして白いビーハイブヘアーに黒いシースドレスのミドヴァニイたちだ。更に、当時、私が日本に上陸させたのが、上述のピンクのビーハイブヘアーのものや又、赤毛のビーハイブヘアー等もあった。

カタログの説明文の中で、ビリーボーイは彼女たちについて、"It's wildly glamorous......this look will topple her admires" 「それは、えらくグラマラスで、このルックは彼女のファンをよろめかせる」と述べていた。

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確かに、この「ドミノ」ミドヴァニィの魅惑と甘いピンク色の綿あめの誘惑に打ち勝てる人は多くないと思う。

レジン製
1992年
個人蔵

Photo (C) Sumiko Watanabe

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なお、ミドヴァニィについての公式情報は以下のサイトもご参照ください。

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2014年08月16日

「フレイム」ミドヴァニィ "Flame" Mdvanii

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燃え立つ様なファイアー・エンジン・レッドのシルクのドレスをまとう悪魔的な美女ミドヴァニィ。「フレイム Flame」と題され、1992年に発表された作品である。

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このお洒落なカクテルドレスの肩の部分には凝ったビーズ刺繍が施され、オーバースカートの様に見えるペプラムは取り外しができ、外すとバービーの1959年の有名なドレス「シース・センセーション」に似た感じ。そしてドレスとお揃いの粋なカクテルハット。ターコイズと赤いビーズ、そして羽根飾りが付いている。赤いドレスをより刺激的に見せるターコイズ色の手袋と黒いシルクストッキング、真っ赤なハイヒールというコーディネートが憎い。装身具には、赤とゴールドのビーズ・イヤリング、3蓮のパールのチョーカー、ピンクのラインストーンが嵌め込まれたゴールドのブレスレット。

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彼女のぴたっとしたブラック・ボブヘアーは、人毛製。パリ美容界の大御所であった故アレクサンドル・ド・パリのデザインであった。そして、メーキャップは、ブラウンのアイシャドーに真紅の口紅とマニキュア。
悪魔的なミドヴァニィの魅力が際立つ初期レジン製ミドヴァニィの逸品である。

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この「フレイム」ミドヴァニィを含む貴重な初期レジン製作品(1990年代のものばかり)が、14体揃ったミドヴァニィ・オークションを来る8月30日(土)夜に行います。
ご興味ある方には、オークション・カタログをお送りしますので、当ブログ管理人のメールアドレスをクリック(当ブログ画面左上)、または、下記アドレスまでご連絡ください。

Email: sumikowatanabe@lime.ocn.ne.jp


Photo(c) Sumiko Watanabe

ミドヴァニィについての公式サイトは以下のものです。ぜひご覧ください。

http://www.mdvanii.ch/en.mdvanii/

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2014年04月25日

「パルムの僧院」ミドヴァニィ "La Chartreuse de Parme" Mdvanii

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フランスの作家スタンダールの代表作の小説「パルムの僧院」(1839年出版)と言えば、情熱的なイタリアの青年貴族ファブリスの波乱万丈な半生を描いた傑作として知られている。この有名な小説の名を冠したミドヴァニィ Mdvanii。おそらく、作者のビリーボーイ BillyBoy* は、小説の主人公ファブリスが愛した娘クレリアからインスピレーションを得て、このミドヴァニィを制作したと思われる。

彼女は1998年に発表されたレジン製プロトタイプ・ミドヴァニィ(10体限定制作)のひとつであった。珍しいロージー・トーン(普通の肌色よりややローズ色がかった)肌色をしているのが特徴であり、1940年代風の前髪が表現されたブラウン・モヘアの髪。青い花と金色のトリムが飾られたヘアーネット式の帽子を被っている。

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彼女が纏っているのは、藤の花を想わせるようなロマンティックなロングドレス。ネックラインから肩にかけてミンク風の黒いベルベットのトリムが付けられたブルーグレーのシルク・シャンタンのロングドレスに、裾の黒と白の花のトリムが付いた藤色のオーバースカートが重ねられている。ウエストには、大きな金色のバックルが付いた金色のリボンでできたベルト。そして黒いストッキングと下着に、メタル製の黒いハイヒール・パンプスを履いている。装身具は、金色のループ・イヤリングに金の十字架ネックレスと金色のバングル、そして黒いストロー製のハンドバッグ。
又、彼女のメーキャップと口紅は「マンドリン」と名付けられ、鮮やかな水色のアイシャドーに強く描かれた黒いアイライン、ブライト・ローズの口紅。そしてネイルスには、「モンテ・クリスト伯」と命名されたブライトレッドが使われている。

文学的な味わいのある非常にユニークな美しい作品だ。生き生きして、明るく、そして理知的なムードを併せ持つ顔が、たまらなく悩ましい。もう一度、「パルムの僧院」を読んでみたくなるのは私だけではないかもしれない。

1998年制作 レジン製 個人蔵

Photo (c) Sumiko Watanabe

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2014年03月02日

「ナエマ」ミドヴァニィ "NAHEMA" Mdvanii

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「ナエマ」という名を聞けば、ゲランの香水を想い起される方もいるかと思う。
ゲランの香水「ナエマ」は、アラビアンナイトに出てくる美しい双子の王女の一人の名に因んだものと伝えられ、1980年代初頭に発表された。その香りは、バラへの賛辞と言われるように、世界一バラの香料をふんだんに使用されていると聞く。

さて、この同じ「ナエマ」という名を冠したミドヴァニイが、今回ご紹介するものだが、因みに、作者であるビリーボーイは、「ナエマ」という名について、古代エジプトの女神の名であると、当時、私に説明してくれた。

彼女は1998年に発表されたレジン製プロトタイプ・ミドヴァニイ(限定10体制作)の一つである。正規に発売されたレジン製のミドヴァニィ・ドールたちに比べ、濃い肌色をしており、非常に強いトーンのメーキャップと冒険的なヘアースタイルが特徴であった。

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この「ナエマ」ミドヴァニイは、バラ色の肌を持ち、「ムード・ナエマ」と名付けられたメーキャップ・・・・・淡いブルーのアイシャドーに黒いアイラインが強調され、ピンクベージュの口紅、バイオレットのマニキュアが施されていた。
ヘアースタイルは、ミドヴァニイの最初のものと同じ、黒い人毛製のオールバック・ヘアー。その上に、18世紀の金色のリボンを利用したエキゾチックなターバンが巻かれている。
そして、彼女がまとう古典的な花柄のブロケードのカクテルドレスは、胸ぐりと袖、スカートの裾に濃紺のベルベットのトリムが飾られ、ウエストには18世紀の金色のトリムが付いている。
ドレスの下には、淡いピンクの木綿モスリン製のペチコート、やはり淡いピンクのシルクサテンの下着、白いシルクのストッキングをつけ、パールバイオレットのハイヒール・パンプスを履いている。
そして、装身具には、赤いビーズのイヤリングに、パールのチョーカー、ゴールドのカフス・ブレスレットが含まれていた。

エジプトの女神か、はたまたアラビアンナイトの王女か、それはさておき、「ナエマ」の持つ古典的で妖艶なイメージが充分表現された極めて魅惑的な作品だ。
春の宵、彼女の芳香をお楽しみください。

1998年制作
レジン製
個人蔵

全身の写真 Photo (C)Fndation Tanagra
上半身の写真 Photo (C) Sumiko Watanabe

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2013年11月25日

「カーディナル」ミドヴァニィ "Cardinal" Mdvanii

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艶やかな真紅のドレスに身を包んだミドヴァニィ。
1998年秋に発表されたレジン製プロトタイプ・ミドヴァミィ(10体制作)の一人である。
彼女たちの特徴は、正規に販売されたレジン製のミドヴァニィよりも濃い肌色をしており、メーキャップも非常に強いトーンで描かれ、更に冒険的なヘアースタイルをしていることだった。

この「カーディアル」と題されたミドヴァニィは、バラ色の輝く肌を持ち、ダークブラウンのモヘア製の髪は190年代風にスタイリングされており、黒いビーズが刺繍された深紅色のシルク・ジャージーのターバンを被っている。

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そして、彼女がまとっているのは、素晴らしく手の込んだゴールドとピンクのビーズが刺繍された真紅のシルク・ジャケット。それには、「ありたけの愛情」という名前が付いていた。その下には、「私の小さな我儘」と命名された深紅色のシルク・ジャージーのタイトなドレス。そのスカート部に被せられたアシメトリカルなオーバースカート風の飾りは、典型的な1940年代ファッションを示していた。黒いレースのストッキング、真紅のメタル製プラットフォーム・ハイヒール・シューズ。
装身具は、ゴールドのチェーン・イヤリングに、ゴールドのチェーンに手吹きガラスの赤い花が付いたペンダント・ネックレス、そしてゴールドのカフス・ブレスレット。
真紅のスエード風ベルベット製のハンドバッグも手にしていた。

彼女のメーキャップだが、強烈なゴールドのアイシャドーに、「モンテ・クリスト」と名付けられたブライト・レッドの口紅。

パリの香りがムンムンする非常にセクシーなミドヴァニイだ。

日暮れが早くなり、寒さへ向かうこの時期、心に灯がともるようなミドヴァニィだと思い、ご紹介した次第である。

1998年制作
レジン製
個人蔵

全身像正面の写真 Photo (c)Fondation Tanagra
それ以外の写真 Photo (c)Sumiko Watanabe

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2013年03月18日

「デール」 レジン製ミドヴァニィ "Dale", the resin Mdvanii from 1992

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ヨーロッパに住む熱心なミドヴァニィ・コレクターから、素敵な写真が送られてきた。
それが、今回ご紹介する1992年のレジン製ミドヴァニィMdvanii「デールDale」である。

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グレーとホワイトのストライプのジャンプスーツにゴールドのチェーンベルトをつけ、胸に刺繍がほどこされ、バイオレットのフリンジがついたブラウン・スエードのベストという超グルービー・ファッション。そして、シャネル風のゴールドのカフスブレスレットにパールのイヤリングと大きなグリーンの宝石がついたゴールドのペンダント・ネックレス。まるで60年代〜70年代初め頃のヴォーグ誌から抜け出てきたようなカッコ良さである。
更に、髪型はパリ美容界の大御所だった故アレクサンドル・ド・パリのデザインによるブラウンのショート・ボブ。このヘアーカラーには、"Vendredi"(金曜日)という名前まで付けられていた。

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グレー系のしっかり描かれた太目の眉、ブルーグレーのアイシャドー、意思の強そうな濃いブルーの瞳にグラマラスな真紅のリップス。1992年に発表されたミドヴァニィの典型的なモデルのひとつであり、非常に強いオーラを放っている。

因みに、1992年のミドヴァニィ作品は、"European Collection" と"Exclusive Representatives" という2種類のカタログによって紹介され、日本では後者のカタログに掲載されている作品のみを販売し、"European Collection"の方は扱うことができなかった。というのは、当時、European Collectionの作品はすべて、ビリーボーイとララによって欧米のコレクター向けに直売されたからであった。

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そうしたことからも、この「デール」は実物を見ることができなかった数少ないミドヴァニイであり、日本のコレクターから見て特別な憧れの対象である。

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当ブログのために、気前よく写真を提供してくださったコレクター氏に感謝!

個人蔵 Private Collection

Photo (c) Mdvanii Finland

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2011年02月21日

アンバー・ド・ヴェニス Ambre de Venise

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「アンバー・ド・ヴェニス」(ヴェニスの竜涎香)とは、ポール・ポワレがプロデュースした有名な香水のひとつとして知られている。その妖しく艶かしいイメージからインスピレーションを得て、1993年にビリーボーイ BillyBoy*が作ったのが、今回ご紹介するレジン製のミドヴァニィ「アンバー・ド・ヴェニス」Mdvanii "Ambre de Venise" である。

今から18年も昔の作品であり、当時の特徴である強い印象を与えるブラウン系のアイメーキャップに、上下に入れた濃いアイライナー、そして真紅のリップス。魔力のある顔だ。

彼女がまとっているのは、ベージュのシルク地にピンクと黒い糸で刺繍がほどこされた凝ったファブリックによる19世紀スタイルの華麗なイブニングドレスとミステリアスな黒いベルベットのロング・ケープ。因みに、ドレスに用いられた素晴らしいファブリックは、ビリーボーイのファブリック・コレクションの中から選ばれたもので、画家のラウル・デュフィ Raoul Dufy がイタリアのファブリック・メーカー、ビアンキニ・フェリエ Bianchini-Férier の為にデザインし、ポール・ポワレPaul Poiret が用いた本物だという。

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ドレスはジャケットとスカート(その下にはピンクのシルクのペチーコート)から成っている。そして、黒いベルベットのロング・ケープであるが、その裏地にもドレスとお揃いのポワレのファブリックが使われているというドラマティックな見せ方。また、ケープの衿には、パーブルのビーズで縁飾りがされている。

装身具は、パールにパープルとゴールドのビーズでできたネックレス、パールのイアリング、ゴールドのカフスブレスレット。そして黒いシルクのストッキングに黒いエナメルのハイヒール・シューズを履き、黒い手袋に、ビーズの刺繍がされた黒いベルベットのハンドバッグを持っている。この他、彼女の付属品として、夜会用のシルバーのマスクとグリーンのガラス製香水瓶、ピンク・ゴールドの壁飾りなどが付いていた。

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また彼女のヘアースタイリングは、パリ美容界の大御所であった故アレクサンドル・ド・パリ本人によってなされた。ダークブラウンの人毛のロングヘアーを後方でスタイリッシュに結い上げ、小粒のパールが丁寧に飾られており、手の込んだ美しさが際立つ。

何と濃密な作品であろう!
19世紀末のデカダンスと妖艶なアンバーの芳香が漂ってくるようで、頭がくらくらしてしまう。
勿論一点もの特別作品である。その価値が現在100万円以上と言っても差し支えないだろう。

個人蔵

Photo: (C) Sumiko Watanabe


《お知らせ》
ミドヴァニィのメール・オークションを2月26日(土)に行います。ご興味のある方には、カタログをお送りしますので、下記までご連絡ください。
Email: info@swjapan.net


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2010年09月13日

マン・レイによるカサッティ侯爵夫人のポートレート Marquise de Casati by MAN RAY

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1920年代ヨーロッパ社交界の花形であり、また奇抜なファッションで人目を引いたカサッティ侯爵夫人。アーティスト・ビリーボーイ BillyBoy* が、彼女をモチーフにしたミドヴァニィ Mdvanii 人形を制作したことは、先日、当ブログでご紹介した。

http://sumiko-watanabe.seesaa.net/article/157386898.html

そして、1920年代、ダダ・シュールレアリストのアーティストとして知られるマン・レイが、彼女のポートレート(肖像写真)を撮ったこともお伝えしたが、そのポートレートが掲載された展覧会カタログをつい最近入手。

下の写真が展覧会カタログの表紙。

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そして、トップの写真が、カサッティ侯爵夫人のポートレートである。
マン・レイが1922年に撮影したもので、カメラぶれによって彼女の目が4つになった完全なる失敗作であり、「メドゥーサの目」とあだ名されたほどであった。しかし、カサッティ侯爵夫人は、それを喜んだと伝えられる。いかにも彼女らしい!
そして私もこの写真が好きだ。こんなシュールで魔術的なポートレートを撮ってもらったら、狂喜してしまうだろう。
因みに、この写真は焼き増しされ、当時の社交界に広まったと聞く。
マン・レイとカサッティ侯爵夫人の魂に乾杯!!


写真は、マン・レイ展カタログ(2004年)より
発行:株式会社アートプランニングレイ(c)2004


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2010年08月12日

ルシー・ミドヴァニィ・セールへ捧ぐ Hommage to Roussi Mdivani Sert

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以前、ミドヴァニィ Mdvanii の名前の由来について書いたことがあったので、覚えておられる方もいることだろうが、ビリーボーイ BillyBoy* の創作人形ミドヴァニィ Mdvanii の名前は、ロシアの貴族家庭に生まれ、パリの画家セール氏と結婚したルシー・ミドヴァニィ・セール Roussi Mdivani Sert の名前から来ている。
彼女は、1920年代〜1930年代のファッション・リーダーの一人として知られた女性であり、シャネルの友人であり、顧客でもあった。
また、余談であるが、アールデコの時代のアーティストのパトロネスとして有名だったミシア・セールは、セール氏の最初の妻であり、彼はミドヴァニィと結婚するため、ミシアと離婚したと伝えられている。

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上の写真:ルシー・ミドヴァニィ・セール Roussi Mdivani Sert (1986年8月、ザ・スペースで開催された「'30年代パリ・モード展」の図録より)

関連記事

http://sumiko-watanabe.seesaa.net/category/1059183-1.html

さて、今回ご紹介するのは、このルシー・ミドヴァニィ・セール Roussi Mdivani Sert へ敬意を表した衣装セット(1989年〜1990年制作 非売品)を身にまとった初期レジン製のミドヴァニィ Mdvanii である。

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彼女が着ているのは、赤いシルクサテンのイブ・サンローランのファブリックを使ったブラウスに、黒いシルクタフタのイブニングスカート。黒いレースのストッキングに黒いエナメルのハイヒールシューズ。ビーズ刺繍が施された赤い帽子にシルクストライプが縫い取りされた黒いチュールのロングストールをつけている。そして装身具は、バロックパールのイアリングとゴールドのカフスブレスレット、そして Royal Highness Maria Pia de Savoie のためにビリーボーイが作った十字架ネックレスのミニチュアだ。

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更に着替えとして、黒いシルクタフタのノースリーブ・ブラウスと白いシルクのロングストールにショッキングピンクの長手袋と刺繍されたゴールドラメのターバンが揃えられている。

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こだわり抜いた素材とスタイル。
ルシー・ミドヴァニィ・セール Roussi Mdivani Sert の名に恥じないゴージャスで気品のある衣装セットである。


★お知らせ
ミドヴァニィを中心としたビリーボーイの人形作品のオークションを、8月末頃に行なう予定です。ご興味ある方には、オークションカタログをお分けしますので、下記までご連絡ください。

Email: info@swjapan.net



Photo (c) BillyBoy*

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2007年06月19日

「私は夢見る」ミドヴァニィ JE REVE Mdvanii

je reve 1.JPGJE REVE bis

レジン製のプロトタイプ・ミドヴァニィ(1998年発表)は、全部で10体作られた。
前回までに紹介した作品の他、以下のものがある。

JE REVE 私は夢見る
上の写真。ジェット・ブラックのボブヘアーに真紅の唇。淡いブルーグレーのシルクシャンタンのカクテルドレスを着ている。
パリの小粋さとエレガンスを感じさせる名作だ。黒い帽子が効いている。また、黒いレースの下着も息を呑むほど美しい!


OPERETTE

OPERETTE オペレッタ
上の写真。非常に珍しいフォークロア調の作品。強さのある美しい顔が素晴らしい!


FLORILEGE

FLORILEGE 詞華集 
上の写真。フューシャ色のシルクタフタのイブニングドレスに、白いレースのマンテラ(スペインの婦人用の髪被い)をショール代わりに使っている。
ローマ時代のイタリアの貴婦人を想わせる迫力と凄みのある美しい顔が特徴だ。


MAE FAR WEST

MAE FAR WEST メエ・ファー・ウエスト
1920〜1930年代に活躍した女優メエ・ウエストと「ファー・イースト(極東)」を混ぜ合わせた造語。
まるで塔のように高く結い上げられた髪型。黒いレースと濃紺と黒のベルベット・リボンで複雑にトリミングされたスキャパッレリ風のマーメイドラインのピンクのシルク・ドレスを着ている。


CARDINAL

CARDINAL 紅スズメ
1940年代風の髪型に、凝ったビーズ刺繍がされた真紅のジャケットと、ガーネット色のジャージーのシースドレスを着ている。
危険で妖しい赤の雰囲気が濃厚に漂う。


NAHEMA

NAHEMA ナエマ
古代エジプトの女神の名であり、また有名なゲランの香水の名前としても知れれる。
古典的な花柄のブロケードのカクテルドレスに、18世紀の金色のリボンを利用して作られたターバン。ノーブルでロマンティック、凛とした気品のある顔が素晴らしく魅力的だ。


CHARTREUSE DE PARME

CHARTREUSE DE PARME パルムの僧院
19世紀中頃のイタリアを舞台にしたスタンダールの有名な小説からインスパイアーされた作品。
ネックラインから肩へかけて黒いベルベットのトリムがついたブルー・グレーのシルクシャンタンのドレスに、パープルのパルム・タフタのオーバースカートをつけている。


どの作品からもミドヴァニィの可能性を追求しようとする様々な試みが見られ、作者ビリーボーイの並大抵でないこだわりと情熱が伝わってくる。
現在、すべての作品は、それぞれのコレクターの個人蔵になっており、家宝のように大事にされているのが嬉しい。

Photo by BillyBoy*

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2007年05月19日

SALAMANDRE サラマンダー

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サラマンダーSALAMANDREとは、火トカゲ、火の中に住んでいて焼けないと信じられている架空の動物、あるいは又、火の精として知られ、錬金術には欠かせない火を象徴することから、錬金術師たちに崇められた。ルネサンス期のスイスの医学者で自然科学者、哲学者、そして錬金術師でもあったパラケルススParacelsus(1493-1541)がその著書のひとつ「妖精の書」の中で言及している。

この妖しい名前を持つミドヴァニィMdvanii、彼女は、1998年に発表されたプロトタイプ衣装をまとうレジン製ミドヴァニィの特別作品のひとつ。
「カロン・スタイル」と呼ばれる健康的で明るく濃い肌色を特徴とし、ダークブラウンのモヘアの髪をアップにまとめ、バイオレット・カラーの強いメーキャップをしている。

彼女が装うドレスは、バイオレットのベルベット・リボンで胸周りと腰周りにアクセントが付けられた黄色のシルクタフタで作られ、首から胸の部分とスカート全体に黒いレースが被せられている。
黒いレースのあしらい方が、非常にユニークな何とも奇怪なイブニングドレスだ。ドレスの下には、黒いシルクのアンダースカート、黒いレースのストッキング、そして黒いメタル製のハイヒール・シューズを履いている。ドレスとお揃いのハンドバッグ、ペールのイアリング、パールのカフス・ブレスレット付き。

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非常にミステリアスであると同時に情熱的な雰囲気を持つミドヴァニィMdvaniiである。男性的な濃くて太い眉もセクシーだ。

因みに、ヨーロッパの民間の伝承によると、「火トカゲ」は、人間の形をとることも多く、女性の姿で描かれることもあるという。
作者ビリーボーイBillyBoy*は、炎のような情熱的な女性のイメージを、この作品で表現しようとしたのかも知れない。

ところで、話はミドヴァニィMdvaniiから離れるが、私は、10代の頃、サラマンダーSALAMANDREのイメージを故澁澤龍彦氏の著書の中で知り、夢中になった。そして、20代の初め、初めてヨーロッパを旅した時、パリの蚤の市で、サラマンダーSALAMANDREを見つけた!

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それは、あくまでも私のイメージのサラマンダーSALAMANDREであり、一般的に通じるものであったかどうかは別であるが・・・。まるで、私と出会うために、時代を超えて、火の中から飛び出して来たかのように思えた。体調約6cm メタル製。シルバー、ピンク、グリーン、ゴールドの小さなラインストーンの鱗で覆われてた。私は、狂喜し、迷わず買った。
以来、彼女(?)は、私の大事な宝物のひとつであり続けている。

個人像
Photo (top) by BillyBoy*
Photo (other) by Sumiko Watanabe

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2007年05月07日

Chez Worth ウォルトの店で

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19世紀後半、フランスのファッションリーダーだったナポレオン3世皇妃ウージェニーのクチュリエとして名をはせた英国人デザイナー、シャルル・フレデリック・ウォルトCharles Frederick Worth(1826-1895)。彼は、優雅で華麗なクリノリン・スタイルを打ち出し、「モードの王様」と呼ばれ、今日のオートクチュールの原型を作った人である。顧客には、ウージェニー皇妃を初め、ヨーロッパ王室や上流階級の女性たちが多くいたと伝えられる。そして、ミドヴァニィMdvaniiもその顧客のひとりだったらしい。

レジン製ミドヴァニィMdvanii "Chez Worth" 「ウォルトの店で」は、前回の"A Rose is a Rose is a Rose" 「バラはバラでバラである」と同じく、1998年に発表されたプロトタイプ衣装をまとうレジン製ミドヴァニィ一点もの特別作品のひとつである。

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濃い肌色にビビッドなメーキャップ、そして黒いモヘアの髪をアップにし、花の飾りが付いたオリーブグリーンのターバンを巻いている。

ドレスは、ブライトイエローのシルクタフタ製。腰当を後ろだけにつけたクリノリンの変形である「バッスル」スタイルに近いシルエットを見せている。19世紀のシルクリボンを利用した飾りリボンが付いた淡いバイオレット・ブルーのローシルクのコート、淡いグリーンのオーガンジーのペティコートが組み合わされ、やはりアンティークのシルクリボンから作られた目を見張るような鮮やかなストッキング、そしてピンクのメタル製ハイヒール・シューズを履いている。

フランス服飾文化の厚みを感じさせる非常に贅沢で完成度の高い作品だ。オートクチュールの伝統に敬意を払いつつ、ディテールに込められたビリーボーイBillyBoy*の遊び心とセンスが、この作品を単に19世紀ファッションの再現以上のものにしていると思う。
そしてその要素のなかでも際立っているのが、このミドヴァニィMdvaniiの顔の表現である。ドレスの貴族的な雰囲気とはあまりにもかけ離れた、泥臭い、まるで山出しの女中が奥様の伯爵夫人の衣装を貸してもらったような、そんな雰囲気を持つミドヴァニィMdvanii。非常にユニークであり、見れば見るほど味わい深い。私には、このギャップが、たまらなく魅力的に見え、最も好きな作品のひとつになっている。

SW JAPAN所蔵

Photo (top) by BillyBoy*
Photo (other) by Sumiko Watanabe

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2007年04月18日

A Rose is a Rose is a Rose バラはバラでバラである

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本来ならば春爛漫の季節なのに、冬へ逆戻りしたような肌寒い日が続いている。下手すると体調を崩したり、気分が落ち込んだりしてしまいそう。
こんな時、カンフル剤のように、心を奮い立たせてくれるミドヴァニィがいる。
それが、今回紹介する"A Rose is a Rose is a Rose" 「バラはバラでバラである」ミドヴァニィMdvaniiだ。

彼女は、1998年に発表されたレジン製ミドヴァニィMdvaniiの一点物特別作品シリーズのひとつ。ミドヴァニィMdvaniiが世に出る前に、実験的に作られた所謂「プロトタイプ」衣装をまとっていることが呼び物だった。また、人形本体も、レジン製のレギュラー作品の肌色とは一味違い、メデテレイニアン調の肌色、つまり、地中海沿岸に住む人種のようなテラコッタを思わせるローズ色がかった濃い肌色を特徴としていた。

作品タイトルの"A Rose is a Rose is a Rose" 「バラはバラでバラである」とは、ガートルード・スタインの有名な格言に因んだもの。

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メデテレイニアン調の濃い肌色に、濃いブラウンのモヘアの髪をアップに結い上げ、18世紀のリボンを利用したというゴールドのターバンに包み、ピンクの花の飾りをつけている。

白いサテンのボディースと淡いピンクのシルクサテンのスカートから成るストラップレスドレス。スカート部分にピンクの花の飾りが絡み付けられている。そして、バラの花がブリントされた19世紀のピンクのタフタ・リボンを使ったストール風ボレロ。お揃いのハンドバッグ。白いレースのストッキングにゴールドのバックルが付いたピンクのハイヒールシューズ。ジュエリーは、ゴールドのチェーン・ネックレスとイアリング、そしてゴールドのカフス・ブレスレット。

メーキャップは、「NO.7」と名づけられ、ピンクのアイシャドーに艶やかで情熱的な朱赤の口紅。そしてマニュキュアは「ベッティーナ」と名づけられた朱赤。

頭のてっぺんからつま先まで全身バラのように艶やかなイメージ。そして何と言っても、強くて濃いメーキャップが魅力的だ。
パリの洗練された美人像は全く違う、少々泥臭いような温かくて明るく強いイタリア女性を想わせる雰囲気を持つミドヴァニィMdvaniiである。
まさに、バラの持つパワー全開といったムード。見ているだけで、身体中が温かくなり、元気になれそう。

ミドヴァニィMdvaniiの歴史に残るユニークな名作である。

個人蔵

Photo by BillyBoy* and Sumiko Watanabe

飛行機私事だが、明日から米国アリゾナへ出掛ける。帰国は5月初旬頃の予定。しばらくブログの更新はお休みになります。

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2007年04月15日

パリジャン・オートクチュールへのオマージュ「ヘルメスの羽根」Ailes d'Hermes

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久しぶりの更新だ。
今回紹介するのは、レジン時代ミドヴァニィMdvaniiの中でも極めてファッション性が高く、異彩を放つ名作「ヘルメスの羽根 Ailes d'Hermes」(1993年発表)である。

ブラックとゴールドを基調にした飛び切りのカクテル・スーツに身を包み、マラブーの羽根でできたミステリアスなカクテルハットを被ったミドヴァニィ Mdvanii。彼女をエスコートするのは、タキシードにシルクハットできめた恋人のロギィ・ロギィ Rhogit-Rhogitだ。

見どころは、ミドヴァニィMdvaniiのファッション。ゴールドのラメ・ファブリックの衿と袖口がついた黒いシルクファイユのテーラード・ジャケットに、黒にシルバーゴールド・ラメのブロケードの華麗なシーススカートが組み合わされている。このシーススカートの生地であるが、1910年代にポール・ポワレPaul Poiretが実際使用した世界的に有名な生地メーカー、ビアンキニ・フェリエのものだ。何と言う贅沢さであろう!

彼女のジュエリーは、パール又は水色の手吹きガラスのスズラン型のイアリング、ゴールド・ビーズのネックレス、そしてゴールドのシャネル風カフス・ブレスレット。このほか、付属品としてポール・ポワレPaul Poiretのオリエンタル趣味を反映した手彩色の絵が描かれたシルバーの扇が含まれている。

Ailes d'Hermes bis.JPG 作品は、25体の限定制作。テーラード・ジャケットには、黒いシルクファイユの他、レンガ色、モスグリーン、シナモン色のシルクタフタというバリエーションがあり、又、シーススカートも、黒にシルバーゴールドの他、シルバー・ホワイト、ピンク/黒/シルバーグレーのブロケードというバリエーションがあった。生地は全て、ポール・ポワレPaul Poiretが使ったビアンキニ・フェリエのもの。

ヘアースタイルは、ぴたっとしたボブ。ブロンド、アッシュ・ブロンド、ダークブラウン、ジェット・ブラックのバリエーションが作られた。

衣装の生地へのこだわり、ため息のでるような美しいシルエット、見事なバランス感、そして全体から受ける印象として、そのファッション・オーラは圧倒的だ!

作者ビリーボーイBillyBoy*は、当時、本作品について「クチュリエの大家ポール・ポワレPaul Poiretは勿論のこと、パリジャン・オートクチュールへのオマージュだ」と言っていた。

25体の作品は、コレクターに大歓迎され、発売直後に完売。今では、所有されているコレクターが手放さない限り、入手することはできない大変貴重な夢の作品である。

exhibition at Tachikichi in Kyoto.JPG 因みに、1994年、京都のたち吉のギャラリーStudio COMで行われた「ビリーボーイ人形の世界展」の案内ハガキになったのもこの「ヘルメスの羽根Ailes d'Hermes」の写真である。


Photo by BillyBoy*

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2006年11月09日

イタリアン・タッチのミドヴァニィ「ヴィア・ヴェネトー」 Via Veneto Mdvanii

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「ヴィア・ヴェネトー Via Veneto」とは、ローマのお洒落な通りの名前である。
イタリア女優シルバーナ・マンガーノを思わせる細く美しいカーブを描いた眉と悩ましい眼差しが特徴のミドヴァニィMdvanii >「ヴィア・ヴェネトー Via Veneto」。
彼女が」着ているのは、マルチカラーの縞柄のニット・シース・ドレスに、大きな衿の付いたニット・ガーディガン、ビビッドなカラー・ストッキングと手袋がコーディネートされ、仕上げは、フューシャ色の花と黄色のリボン飾りが付いたイタリアン・ストロー・ハット。
カラフルなジュエリーも素晴らしい!

ミドヴァニィ Mdvaniiの髪型は、比較的珍しいフリップ・ヘアー。アレキサンドル・ド・パリのデザインである。
パゾリーニの映画「テオレマ」のなかで、シルバーナ・マンガーノがしていた髪型からインスパイアーされたものだいうが、私の記憶と少し印象が違う。

それはともかく、ヴィア・ヴェネトー・ミドヴァニィ Via Veneto Mdvaniiは、1993年、SW JAPANのエクスクルーシブ作品として限定25体制作されたものだった。
勿論、メーキャップ、ヘアースタイル、ヘアーカラーにバリエーションがあり、それぞれが異なる個性と魅力を発揮していた。

やはり、現在では所有されているコレクターが手放さない限り入手できない貴重なレジン時代の作品である。

トップの大きい写真は、ビリーボーイ BillyBoy*によるもの。

Photo (c) BillyBoy*


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2006年11月03日

L'OFFICIEL Mdvanii 1992 ロフィシェル・ミドヴァニィ

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フランスの有名ファッション誌L'OFFICIELと提携したミドヴァニィMdvaniiが1992年に発表された。

赤地に可憐な花が描かれリバティー・プリントのシースドレスに、同じ布を裏地に使ったターコイズ・ブルー又はゴールデン・イエローのローシルクのコート。本格的な仕立てのポケットも付いている。マッチしたカラーストッキングに1940年代スタイルのハイヒール・パンプス、ドキッとするような鮮やかな色合いの手袋、ジュエリー、そして小粋なシルクのスカーフを首に巻き、シックなつば広の帽子、という装いだ。その他、ハンドバッグやパヒューム・アトマイザーも付属品として付いていた。

ミドヴァニィMdvaniiは、非常にタイトなボブヘアーに真紅の唇、ブルーグレーのアイシャドー。ボブヘアーの色合いには、ブロンド、ジェットブラク、赤毛、ブラウンなどがあり、人毛が使われていた。

ドレス、コート、付属品のカラー・コンビネーショが実に魅力的な、非常に充実した作品である。

L'OFFICIEL誌を通して販売され、日本では、SW JAPANが25体を紹介した。
大変好評で、発売直後に完売。今では所有されているコレクターが手放さない限り入手できない貴重な作品となっている。

因みに、その時のL'OFFICIEL (SEPTEMBRE 1992)誌には、ビリーボーイBillyBoy*ミドヴァニィ Mdvaniiの特集が10頁に渡って掲載された。

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トップの写真はビリーボーイBillyBoy* によるもの。
二人のミドヴァニィMdvaniiの間に置かれたクラシックな椅子もステキだ。

Photo (c) BillyBoy*

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2006年10月22日

フレームとシャコー・ミドヴァニィ  Flame & Shako Mdvaniis

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ダークブルーの夜空を背に立つ二人の美女。
燃え立つようなファイアー・エンジン・レッドのカクテルドレスをまとう漆黒の髪の美女は、「フレイム」ミドヴァニィ Flame Mdvanii
そしてマーメイドラインのロングドレスにゴールド・イエローのボレロ・ジャケットをはおっているウルトラ・グラマラスなブルーのビーハイブヘアーの彼女は、「シャコー」ミドヴァニィ Shako Mdvaniiだ。

Photo by BillyBoy*

「フレイム」ミドヴァニィ Flame Mdvanii は、1992年に発表されたExclusive Representativesのアイテムのひとつであり、当時、SW JAPANが国内に20体上陸させたもの。

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ヘアーカラーは、ブラックとホワイト。
メークは、悪魔的なブラウン系とソフトなピーチ系。

取り外しのできるペプラム・スカートがついたファイアー・エンジン・レッドのカクテルドレスと、お揃いのトークハット(トルコ石と羽根飾りがついている)、手袋、黒いシルクストッキング、ハンドバッグ、ゴールドのハイヒールパンプス・・・。非常に完成度の高い優れた作品だ。

隣の「シャコー」ミドヴァニィ Shako Mdvaniiは、ララLalaのお気に入りで非売品。ララLalaは、こういうタイプの女性が好きらしい。
目の縁にかかるサイドの髪のカットが素晴らしい!
非常にパリを感じさせるミドヴァニィ Mdvaniiである。

因みに、彼女たちの後ろに写っているのは、9.11テロで破壊されたニューヨークの貿易センタービル。
複雑な思いがする。


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2006年10月01日

ミドヴァニィ、ベーシック・コレクション'91 Basics Collection '91

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今から15年前、1991年夏、ミドヴァニィMdvaniiのヘアースタイルに大きな刷新が図られた。
それまでの、ダブル・ウィッグ(オールバックの黒髪を頭部に貼り付けた上に、さらに、取り外しできる幾つかの髪型のウィッグを被せていた)から、頭部に、接着剤で固定されたシングルのヘアー・ウィッグへ変わり、頭部のボリュームが押さえられたことにより、全体のプロポーションがぐんと良くなる。

ボリュームたっぷりの黒髪ボブを主流としたヘアースタイルから、ニュアンスのあるブロンド系やブラウン系の豊富なカラーバリエーションが生まれ、シルエットは、ピタッととした過激なまでのショート・ボブ。
ヘアーカラーには、「メドゥーサ」、「ミア・キュルパ」、「ルクレチア」、「チンチラ」、又、リップス・カラーも「モーブ・ベーゼ」、「ビター・スィート」、「トロ・シック」、「サブリミナル」などと、パリのシックと遊び心をミックスさせたような呼び名が付けられていた。
最初期のミドヴァニィMdvaniiが持っていた日本人形のような雰囲気は消え、よりモード的な、パリやミラノで活躍するモデルを連想させるような印象である。

ベーシック・コレクションBasics Collectionには、トップの写真が示すように4種類のスタイルが作られた。この中から、写真向かって左端の「ラ・プティット・ローブ・ノワール>」La Petite Robe Noire, と右から2番目の「ファム・ファタール」Femme Fataleの2スタイルが、日本に上陸した。

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ラ・プティット・ローブ・ノワール La Petite Robe Noire は、黒いシルクシャンタンの半袖シースドレスに、麻製のフライアウエイ・ジャケットという50年代風スタイル。

ファム・ファタール Femme Ftale は、フューシャ又はオールドローズのシルクシャンタンのストラップレス・シースドレスに、カラーコントラストを利かせたボレロ・ジャケットが組み合わされている。

そして各ミドヴァニィには、それぞれの個性と衣装にマッチしたジュエリーがコーディネートされていた。

彼女たちは、ミドヴァニィMdvaniiの2番目の顔としてシンボル的にパブリシティーされ、ビリーボーイBillyBoy*の大型絵画作品のモチーフになったことでも知られる。

トップの写真は、ビリーボーイBillyBoy*によるもの。ミドヴァニィたちと一緒に写っている木製の椅子も魅惑的だ。18世紀のアンティークだという。
Photo (c) BillyBoy*

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2006年09月17日

スタジオ・アルクール Studio Harcourt

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フランスの作家で評論家であるローラン・バルトRoland Barthes(1915〜1980年 著「モードの体系」など)は、「神話」というエッセイのなかで、『フランスにおいては、スタジオ・アルクールStudio Harcourtでポートレートを撮影しないうちは、本当の俳優ではない。スタジオ・アルクールStudio Harcourtから出てきた俳優は、神である。彼(彼女)は、決して何もしない。ただ安楽を獲得する』と書いている。

1930年代から1991年頃までパリの写真館スタジオ・アルクールStuidio Harcourtでは、無数のポートレートが撮影された。マレーネ・ディートリッヒ、ミスタンゲット、イブ・モンタン、モーリス・シェバリエ、エディット・ピアフ、ジャンヌ・モロー、ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーブetc
スタジオ・アルクールStudio Harcourtのポートレートは、全てモノクロで、独特のムードとスタイルをもっており、一目でそれと分かる。

パリで最もファッショナブルな地域のひとつであるドレナ通り49番地に位置したアルクールの建物は、ヨーロッパでもユニークなものであった。広いエントランスホールやレセプションルーム、リラクゼーション・キャビンなどを持ち、最新式の撮影設備が完備された8つのスタジオで、優秀なアーティスト・フォトグラファーにより、被写体は、その人生における「今」という瞬間を完璧な美しさで写真にされた。
写真のハイ・ファッション・ハウスとして、半世紀以上もパリの写真界に君臨していたが、残念なことに、確か、1991年頃、閉館されたと聞いている。

ミドヴァニィMdvanii「スタジオ・アルクール Studio Harcourt」は、この伝説的なパリの写真館へ敬意を表して制作された作品(1993年)だ。

アルクールの写真が、もっぱらモノクロであったことに因んで、ミドヴァニィMdvaniiの衣装には、R.デュフィ Raul Dufy(フランスの画家 1877〜1953年)からインスパイアーされた白黒花柄プリントの生地が用いられ、シックなシースドレスと、お揃いのコート、帽子というひと揃えが作られた。ストッキングは黒。真紅の革製ベルトと、同じく真紅の革製ハンドバッグがアクセントになっている。そして、チラッと覗かせたコートの真紅の裏と真紅のハイヒールに、品の良いエロティシズムを感じさせた。

この頃から、ミドヴァニィMdvaniiのヘアースタイルは、全体のプロポーション・バランスが考慮され、頭部を小さく見せるよう、初期のダブル・ウィッグから、よりシンプルでニートな貼り付けの人毛ショート・ボブに改良された。
メークは、ブラウン系のグラデーション。リップスもダーク・ブラウン・レッド。非常にシックで、パリのエッセンスがたっぷり込められている。
完成度の高いレジン製後期の代表作のひとつであるといって良い。

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余談だが、ビリーボーイBillyBoy*の良きパートナーとして知られるララLalaことジャン・ピエール・レストラードJean-Pierre Lestrade氏も、スタジオ・アルクールStudio Harcourt で、かつてポートレートを撮影してもらっている。
写真は、1980年代終わり頃の彼。フランス人映画俳優といっても差し支えないほど、男前だ!但し、現在の彼は、もっと貫禄が出ており、ヘアースタイルもこの頃とは違う。

写真右は、写真集Studio Harcourt
Claude-Jean Philippe 著 Seghers Archimbaud刊

Photo (c) BillyBoy*

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2006年09月09日

真夜中の魔法 Magie a Minuit

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エキゾティックなターバンに、ミステリアスな黒地にゴールドの唐草模様がハンドプリントされたオペラコート、黒いシルクのイブニングドレスをまとうミドヴァニィMdvanii
三白眼に近い妖しく美しい顔。初期レジン製ミドヴァニィMdvaniiの典型的なモデルである。

彼女が着ている衣装は、「真夜中の魔法 Magie a Minuit」と呼ばれる当時(1990年)のドレスセットのひとつ。写真では分かり難いが、いかにもビリーボーイBillyBoy*らしいバロック調の十字架ペンダント・ネックレスをつけている。

彼女の背景には、ガウディの建物を思わせ、同時に内臓感覚を呼び起こすような不思議な洞窟めいた空間が広がっている。「真夜中の魔法 Magie a Minuit」の名に相応しい芸術性豊かなイメージだ。
撮影したのは、CGを駆使した斬新なアイディアとセンスで注目されたファッション写真家の第一人者の一人、所幸則氏。
今から、16年も昔のことである。当時、CGで写真を処理する技量を持ってる写真家は少なく、なかでも、所氏の前衛的なアート・センスは、ぴか一だった。そんな時代の申し子のような写真家と、ひょんな縁で知り合えたのは、ラッキーと言うしかない。
その彼が、ミドヴァニィMdvaniiを被写体として非常に興味があると言い、実験的に撮ってくれたのが、この写真であった。
バロック絵画のような味わいが、とても気に入っている。

個人蔵

Photo (c) Yukinori Tokoro

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2006年08月01日

ドミノ DOMINO

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大きく膨らませた白いビーハイブヘアー、腰のところに真紅のリボンのアクセントが付けられた黒いシースドレスをまとい、ペットの豹を連れてセーヌのほとりに佇むミドヴァニィ。幽玄な雰囲気とウィット、ユーモア、シックさが入り混じった独特の世界が感じられる。
彼女は、1992年に発表されたドミノ DOMINO ミドヴァニィである。

このドミノ・シリーズでは、トップの写真のモデルの他、黒やピンクのビーハイブヘアーのカラーバリエーションがあり、シースドレスにも白、白地に黒い水玉プリント、黒地に白いプリント柄などの各バリエーションが作られた。そして、DOMINO 、つまり、ドミノ仮装衣(頭巾付き外套と顔の上半分を隠す仮面から成る舞踏会衣装)という本来の意味を反映させるためか、頭部を覆う大き目のスカーフが付けられていた。

特筆すべきは、このドミノ・ミドヴァニィから、それまでブルーグレー一辺倒だったミドヴァニィのアイシャドーに、ピーチ色という新色が加わったことである。そしてヘアースタイルに関しては、ボブヘアーの次に生み出されたのが、ビーハイブヘアーであり、ドミノは、ビーハイブヘアーのミドヴァニィ第1号であった。

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様々な新しい表現が試みられたドミノ・ミドヴァニィは、レジン時代のミドヴァニィの中でも、日本のコレクターに最も人気が高かった作品のひとつに数えられる。白・黒・赤というカラー・コンビネーションが日本人好みだったからかも知れない。

ドミノ以降、ビリーボーイは、しばしばビーハイブヘアーを人形のヘアースタイルに採用している。


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そう言えば、ビリーボーイ本人も若い頃、それに近いヘアースタイルをしていたことを思い出した。
私が初めてビリーボーイに出会った時(1984年)、彼は、まるでお祭りの屋台で売っている「綿アメ」のようなピンクのビーハイブヘアーをしていた!
それはシックなパリの街並みのイメージから完全に浮いていて、まるで、UFOから降りてきた宇宙人といった風情だった。
因みに、30cm位の高さがあったピンクのビーハイブヘアービリーボーイの写真は、当時のELLE誌など、フランスのファッション誌がこぞって取り上げていた。

トップの写真 Photo by BillyBoy*

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2006年07月06日

Mdvanii Society Game

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ミドヴァニィ・ソサエティー・ゲーム Mdvanii Society Game
大人用 シックでスノッブ、とにかく楽しい!

セックス・シンボル、ノーベル平和賞、マイナー芸術家、王家の末裔、はたまた、ポップ・スター、学生、モード雑誌の記者、皆、ミドヴァニィの「おとりまき」になりたがっている。彼女は、自立していて、美しく、理想の友人だからね。

罠あり、スキャンダルあり、エロティックな出会いや、意外な出会いの散りばめられた道程を通して、自分用のカルマ・カードを見つけてください。失敗や仲たがいを避け、有名になれるか、はたまた、パリ中の嘲笑の的にされるか。ミドヴァニィの「おとりまき」に入れてもらい、ゲームに勝つためには、自分の「役」を選び、パートナーに出会い、セックス・ポイント10点、社交ポイント10点を獲得、さらに、どちらかのブティックで、個性的な服を買わなければならない。

ゲーム時間 2〜4時間  人数 2〜6人

以上は、ビリーボーイミドヴァニの世界をモチーフにデザイン制作し、1993年に発売された西洋双六「ミドヴァニィ・ソサエティー・ゲーム」の説明の一部である。勿論、これを書いたのもビリーボーイ

ゲームの参加者は、サイコロを振り、カルマ・カード(全部で130枚ある)を見つけ、その裏に書かれているメッセージに従って、ポイントを獲得したり、減らしたりしてコマを進めて行くのだが、カルマ・カードの内容があまりにもスバラシイので、いくつかご紹介したい。

●JANE Xとお熱いデート。セックス・ポイント5点追加。週末は休もう。

●変態男から、電話で猥談の嫌がらせ。C'EST INOUI (そりゃ、スゴイ!)のマスへ行き、女友だちにエッチな打ち明け話。

●日本人記者が、路上インタビュー。「セーフセックスを実行してますか?」「いきずりの浮気なんてしないから、心配ないよ。」と答える。でも、もし、そうじゃなかったら?セックス・ポイント1点減点。

●ACT-UPの運動家が、あなたの寝室に乱入。顔にルルドの聖水の詰まったコンドームを投げつけられる。そこで目が覚め、飛び起きる。夢だった。テディ・ベアを抱いて、もう一度おやすみ。浮気はダメ。安心第一。セックス・ポイント1点。

●逆上して、公式な場で、イギリス女王にキス!なんたるショッキングな出来事!社交ポイントを全て失う。

エロティックでウィットに溢れる、いかにもフランス・タッチのゲームである。
このゲームを楽しむには、フランス語をある程度理解できないと難しいが、ゲームとしての面白さ以上に、そのデザイン性に注目したい。
つまり、フランス語が解らなくても、実際にデームとして遊べなくても、持っていたいと思わせる大きな魅力があると思うのだ。
そして、これを購入したひとの殆どが、ゲームとしてより、インテリアとして、または、コレクションのひとつとして所有しているというのも事実である。

このゲームの最大の魅力は、ショッキング・ピンクの箱のふたの部分に印刷されているレジン製初期ミドヴァニィの頭部の絵であると言って差し支えない。
これは、前回、紹介したSUZYSUSIEの絵と同時期に、ビリーボーイが描いた10点シリーズの作品のひとつであった。オリジナルの絵は、1m×1mのキャンバスにシルクスクリーンでミドヴァニィの顔を表現し、バックの色を10点それぞれ違う色に塗り分けていた。

Mdvanii head 2.JPGMdvanii head 1.JPGMdvanii heads.JPG

非常にインパクトがあり、小悪魔的なミドヴァニィが実に誘惑的だ!

ミドヴァニィ・ソサエティー・ゲームは、当時、限定1200個作られ、そのうち50個が日本で販売された。箱には、限定ナンバーとビリーボーイの直筆サインが入っている。価格は2万円。(税込 送料込み)

現在、若干数の在庫が残っているので、興味の有る方は、SW JAPANまでお問合せください。

SW JAPAN
info@swjapan.net


なお、因みに、オリジナルの絵の方は、当時約120万円。現在はそれ以上の価値がある。

Mdvanii and all related names, and the name BillyBoy* is the sole name and trademark of BillyBoy* and used with permission click on this link for all copyright information.

http://www.fondationtanagra.com





















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2006年04月20日

スキャパレッリへのオマージュ Homage to Schiaparelli

homage a Schiaparelli 2 small.JPG

バックにダリの絵、クラシックな椅子の脇に立っているのは、スキャパレッリへのオマージュ>」ミドヴァニィである。

前回紹介した「スキャパレッリの店で」に続き、スキャパレッリへの敬意を表した作品だ。1992年に20体限定制作された。

ダリスキャパレッリのためにデザインしたことで知られるハイヒール型のシュールな帽子、ショッキング・ピンクの唇が4つ刺繍されたブラック・サテンのテーラード・スーツなど、典型的なスキャパレッリ・ファッションが反映されている。

レジン時代のミドヴァニィのなかでもオートクチュールとアートを結合させた最も完成後の高い傑作と言って差し支えないだろう。

個人蔵

photo by BillyBoy*

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