2015年10月01日

ベネディクト「ジュー・ド・ポーム」 Benedict, "Jeau de Paume"

jeau de paume 1.jpg

前回に引き続き、18世紀末フランスのファッション風俗として知られる「アンクロワイアーブル」をモチーフにしたビリーボーイの木製男性人形ベネディクト。本作品は、「ジュー・ド・ポーム」と名付けられた衣装を身に着けたものである。

因みに「ジュー・ド・ポーム」の意味であるが、手のひら又はラケットでするテニスの一種のことであり、フランス史に於いては、1789年6月29日第3階級議員たちが室内ジュー・ド・ポーム場に集まり、憲法制定まで解散しないことを誓ったというエピソードが伝えられている。

このベネディクトが着ているのも典型的なアンクロワイアーブル・ファッションであり、細身のシルエットが美しい。

          jeau de paume 2.jpg jeau de paume 4.jpg jeau de paume 5.jpg

高い衿の付いた白いシルクサテンに黒い縞が入ったシャツを着こみ、パールのピンが付いた18世紀のバティスト(薄手木綿)のスカーフ、ビーズ刺繍が施されたブラウンのウールのジレ、白いシルクサテンのキュロットにカラフルはハイソックス、青いタッセルが付いた黒い革製のロングブーツを履いている。その上には、黒いベルベットの衿とカフスが付いた黒いシルクサテンのルダンゴトをまとい、黒いシルクハットを被って、ルビー風の指輪にモノクル、そして頭部に金の飾りが付いた木製のステッキを持っている。更に、遊び人であることを象徴するような青紫色のアンティーク・ガラスでできたダイスが2個とパイプが付属品として含まれていた。

                   jeau de paume 3.jpg

少しカールさせたプラチナブロンドのロングヘアーを後ろへなびかせ、スカーフで口まで覆うというアンクロワイアーブル・スタイルが見事に反映された何とも誘惑的な作品である。癖のある怪しい目つきも見逃せない。

1994年制作
個人蔵

Photo (c) Sumiko Watanabe

NEWS
アンディ・ウォーホル Andy Warhol がビリーボーイ BillyBoy* の為に描いたバービー Barbie の肖像に関するホットな記事が本日BBCより発表されました。


http://www.bbc.com/news/magazine-34407991

又、下記のリンクにも、BBCラジオによるビリーボーイのインタビューが含まれています。

http://www.bbc.co.uk/programmes/p0333ln9

http://www.bbc.co.uk/programmes/p032x5d8


Mdvanii and all related names and the name of BillyBoy* is the sole copyright and trademark of BillyBoy* and used with permission click on this link for all copyright information.

http://www.fondationtanagra.com

ミドヴァニィと始めとする全てのビリーボーイのドール・クリエーションの公式サイトは、以下のものです。こちらも合わせてご覧ください。

http://www.mdvanii.ch/en/mdvanii/

Copyright (c) SW JAPAN 2015. All rights reserved.
posted by sumiko at 17:55| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Benedict | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月24日

ビリーボーイの木製男性人形「ベネディクト」 Benedict, une poupee Incroyable

18 floreal 1.jpg

今から10年以上前、1994年に発表されたビリーボーイの男性人形「ベネディクト」。彼はフランス革命後の18世紀末のファッション風俗「アンクロワイアーブル」を表現したものであり、ビリーボーイのドール・クリエーションの中でも最もユニークで希少価値が高いと言われている。その純粋無垢な愛らしさと温かみは他に類を見ない。

ところで、「アンクロワイアーブルって何だ?」と思われる方も多いことだろう。
「アンクロワイアーブル Incroyable」とは、フランスで1795年から1799年までの執政官時代と呼ばれた期間、人目を引く奇抜なファッションにより自己表現し、時代に新風を吹き込み、新しい文化の形成に大きな役割を果たした若者グループである。知的不良青年、日本で言えば「傾奇者」と言ったイメージであり、現代のパンク・ファッションに通じるものがある。
彼らは、ビート風に伸ばした髪を後ろへカールさせ、極端に高い衿のシャツに派手なジレ(ベスト)を着こみ、膝のところをボタンで留めたキュロットを穿き、大きく折り返った上衿の付いたルダンゴト(コート)に、首の周りには顎から口まで覆う(口を見せないのが粋とされた)並外れて大きなクラヴェット(ネクタイまたはスカーフ)を巻き、大きな二角帽を被り、沢山のブルロック(時計の鎖や腕輪に付ける小さな鎖)や2個の懐中時計を身に着けていたことなどが伝えられている。又、細身のステッキを無造作に弄ぶことが粋とされていた。こうした彼らのスタイルは、当時の常識から見れば常軌を逸したものであり、社会の価値観に対する挑戦であった。そしてそれは、1920年代や1960年代のファッション革命、その後のパンク・ファッションを先取りするものでもあった。

このアンクロワイアーブルを表現した木製の人形「ベネディクト」。彼の身長は約30cm。18世紀から19世紀にかけてヨーロッパで作られたウッドン・ドールのスタイルからインスパイアーされたボディ・スタイルを持ち、肩、肘、足の付け根、膝に釘で留められた関節がある。
又、髪には人毛が用いられ、パリ美容界の大御所であった故アレクサンドル・ド・パリのアドバイスによってアンクロワイアーブルの髪型が忠実に表現されている。
そして衣装には、18世紀から20世紀初頭の貴重なファブリックが使用され、「プレ・カテラン」、「18フローレアル」、「ジュー・ド・ポーム」といったフランス革命に因んだ名を持つ3つのスタイルが作られた。
作品は30体制作され、25体が日本へ上陸した。

今回ご紹介するベネディクトは「18フローレアル」と命名された衣装を着た作品。
因みに「18フローレアル」とは、仏史・共和歴花月(4月20日または21日から5月19日または20日)の18日を意味する。

                     18 floreal 3.jpg

高い衿の付いた白いシルクサテンのシャツに、パールのピンが付いた18世紀のバティスト(薄手木綿)のスカーフを巻き、ビーズ刺繍が施されたブルーグレーの地に花柄のシルクのジレ、白いシルクサテンのキュロットにカラフルなハイソックス、そして青いタッセルが付いた黒いスエード製のロングブーツを履いている。

                     18 floreal 2.jpg

そして大きな黒いベルベットの衿が付いたコバルトブルーのルダンゴト(コート)、更に仕上げはコカルドと呼ばれる赤・青・白の花形徽章が付いた黒い大きな二角帽。小物はトパーズ風の指輪とモノクル。そして、金の飾りが頭についた木製のステッキ。この他、付属品として、遊び人であることを示すアンティーク・ガラスでできたダイスが2個とパイプが含まれていた。

                18 floreal 4.jpg

常軌を逸したアンクロワイアーブルの典型的なファッションが見事に反映されている。そして、この上なく愛らしい顔!それがこの作品の魅力を増幅させているように思う。

1994年制作
販売可能(ご興味ある方は管理人までお問い合わせください)

Photo (c)Sumiko Watanabe

Mdvanii and all related names and the name of BillyBoy* is the sole copyright and trademark of BillyBoy* and used with permission click on this link for all copyright information.

http://www.fondationtanagra.com

ミドヴァニィをはじめ全てのビリーボーイのドール・クリエーションに関する公式サイトは以下のものです。

http://www.mdvanii.ch/en/mdvanii/

copyright (c)SW JAPAN 2015.
posted by sumiko at 17:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Benedict | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする