2016年03月26日

「グルービー・チック」ミドヴァニィ "Groovy Chick" Mdvanii

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春の息吹を感じさせるようなフレッシュでクールなミドヴァニィ。
当作品は、1996年に発表された「グルービー・チック」"Grovy Chick" と命名されたものである。それまでのパリジャン・シックな彼女のイメージを超えた非常に大胆でグルービーな、1970年代ファッションを想起させるようなスタイルを持っていた。

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彼女が着ているのは、美しいボディ・ラインを引き立てるジャストフィットのファブなベルボトム。ジャンプスーツ。アクアブルーの地にポップな図柄がプリントされた麻製であり、総裏付き。そして、黒い革製ベルトと黒いハイヒール・パンプス。装身具は、パールとビーズを組み合わせたイヤリングと、ブルー、ネイビー、ホワイトのビーズでできたネックレス。ブルーの瞳と呼応していて何ともチャーミングだ。

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そして見どころの一つは、髪型。グレーのベリー・ショートのモールドヘアーの上にプラチナブロンドの人毛を用いたフリップ・ヘアーのウィッグを被っている。これは、パリ美容界の大御所であった故アレクサンドル・ド・パリによってスタイリングされたものだ。

メーキャップは、グレーのアイシャドーにつややかなレッド・リップスとネイルス。グラマラスで完成度も高く、たとえ様もなく美しい。髪型、衣装とのカラーコンビネーションも見事である。

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そして付属品には、シルバーのチェーンが付いたアクアブルーのショルダーバッグと "DOLLS JUST WANNA HAVE FUN!" というメッセージが書かれたプラカードが含まれていた。
因みに、この「グルービー・チック」と題されたミドヴァニィは25体制作され、それぞれ一点ものも髪型とメーキャップが施され、更にプラカードのメッセージも異なっていた。例えば、
"I'M FABUROUS SO WHAT?"
"A SEXY GIRL IS NO BIMBO"
"CHEAP EARRINGS ARE GIRL'S WORST FREINDS"
なかなか洒落ている!
なお、ご参考まで、タイトルの "Chick" とは "Girl" のスラングである。

何はともあれ、春の香り満載の「グルービー・チック」ミドヴァニイのイメージをお楽しみいただければ幸いです。

1996年制作
人形本体は、フランスのセーブル窯で焼成されたポーセレン製。

Photo(C) Sumiko Watanabe


お知らせ
来たる4月2日(土)に、恒例のミドヴァニィ・メール・オークションを開催いたします。
今回ご紹介の「グルービー・チック」ミドヴァニィを含む19点が出品され、大変貴重で価値ある作品をラッキー価格で入手できる絶好のチャンスでもあります。
ご興味ある方には、オークション・カタログをお送りいたしますので、当ブログ管理人、又は下記までご連絡ください。

Email: sumikowatanabe@lime.ocn.ne.jp



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http://www.fondationtanagra.com

ミドヴァニイについての公式サイトは以下のものです。

http://www.mdvanii.ch/en/mdvanii/

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2015年05月05日

「真夜中のランデブー」ミドヴァニィ "Redez-vous a Minuit" Mdvanii

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深海魚を想わせるような妖しい美しさ!色白の肌にブロンド、青い瞳、そして眉と目の間が広く平面的な顔立ちが、西洋と東洋をミックスしたような不思議な魅力を醸し出している。
彼女は、1995年に発表されたポーセレン製のミドヴァニイ。「真夜中のランデブー」といタイトルが付けられていた。

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彼女が着ているのは、黄色のトリムが付いたコバルトブルーのシルクサテンのイブニングガウン。その下には、チェリーレッドのローシルク製半袖シースドレス、そして黒いエナメルのハイヒールパンプスを履いている。装身具は、イエローの大きなラインストーンがアクセントに付けられた黒いビーズのネックレスだ。この他、付属品には、黄色の地に紫色の手描き模様が入ったシルバーメタル製の扇と香水瓶、ハンドバッグ等が含まれていた。

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真夜中の夜会に出掛けるミドヴァニィのファッションを表したものであるが、さて、気になるのは、そのお相手である。作者ビリーボーイの説明によれば、相方は黒人美女のディー。ミドヴァニィの世界は1990年の当初から「LGBT」であった。

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1995年制作
人形本体は、フランスのセーブル窯で焼成されたポーセレン製。
販売可能:お問い合わせください。


お知らせ

ミドヴァニィ・メール・オークションを5月30日(土)に開催いたします。
今回ご紹介の「真夜中のランデブー」はじめ、初期レジン製からポーセレン製までの作品(ミドヴァニィ、ディー、イーディ、衣装等)が出品されます。
ご希望の方には、オークション・カタログをお送りしますので、下記(又は当ブログ管理人)までご連絡ください。

Email: sumikowatanabe@lime.ocn.ne.jp


Photo (C) Sumiko Watanabe

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ミドヴァニィの公式サイトは以下のものです。

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2013年02月04日

太陽がいっぱい "Plein Soleil" Mdvanii

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立春を過ぎ、寒さの中にも春らしい光の強さを感じさせるこの頃である。透き通るような青空に太陽の輝きがまぶしい。

さて、今回ご紹介するのは、「太陽がいっぱい」Plein Soleilと題されたミドヴァニィ Mdvanii。
このタイトルを聞くと、ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン主演の1960年のフランスとイタリアの合作映画を想い起される方も多いことだろう。
シクスティーズのムードいっぱいのミドヴァニィである。

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彼女は1989年発行の最初のカタログに掲載されている同名のプロトタイプ・ドレスを着た一点ものデラックス・ギフトセットの一作品として、1995年に制作されたものだった。

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地中海を想わせるビビッドなターコイズブルーのコットンのボディスに、ヒップラインで切り替えたホットピンクに黒い水玉のサーキュラースカートから成るワンピースのサマードレス。スカートにはターコイズブルーの裏地と大きなポケットが二つ付いていて、その片方には何とキューピー人形が入っている!そして黒い手袋に、ガンメタルのハイヒール・シューズ。装身具には、非常に小粒の黒いビーズの4連のネックレスと華奢なゴールドのブレスレット。
更に付属品として、ブラックメタルのハンドバッグや、ピンクのリボンが付いた黒いつば広のストローハットとマッチしたハットボックス、2種類の香水瓶が含まれる。

人毛が用いられた毛先が少し外側に跳ね上がった明るいブラウンのセミロングヘアーや冷たい感じのピンクの口紅からもシクスティーズのお洒落なムードがうかがわれる。
非常に魅惑的なポーセレン時代ミドヴァニイの傑作のひとつと言って良いだろう。

1995年制作
人形本体はフランス・セーブル窯焼成のポーセレン製
販売品


お知らせ
年に1〜2回行っている恒例のミドヴァニィ・メール・オークションを2月16日(土)に行います。
今回ご紹介した「太陽がいっぱい」ミドヴァニィを始め、黒人美女ディーの佳品や超ハンサムな黒人少年ジョビー、そのほか手放すコレクターが現れない限り入手不可能な貴重な作品が出品されます。
オークション・カタログをご希望の方は、下記のメールアドレスへご連絡ください。

info@swjapan.net


Photo (C) Sumiko Watanabe

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2011年11月17日

「プリュム・ドオール」ミドヴァニィ "Plume d'or" Mdvanii

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きらめく黄金色の小さな羽根でできた髪に同色のアイシャドー、そして大きな黄金色の羽根にラインストーンが飾られたエキセントリックなネックレス。サファイア・ブルーの悩ましい眼差し、コケティッシュな真紅の唇。
「プリュム・ドオール」ミドヴァニィは、その名のごとく黄金色の羽根がモチーフの極めて魅力的な作品だ。前回ご紹介した「プティ・トリアノン」と同じく、1998年に一点もの特別コレクションとして制作されたものだった。

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彼女が着ているのは、非常にグラマラスなイブニングドレス。黒とゴールド・ラメのロングスカートに袖なしのチュニック、ゴールド・ラメの長い手袋に黒いシルクのストッキングと黒いレースのパンティー、そして黒いマラブーのドラマチックなイブニングハットを被っている。

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魅力のポイントのひとつである黄金色の羽根のネックレスは、シャネルのイアリングを利用したもの。そして、シャネル風のゴールドのカフス・ブレスレット。また、黒とゴールドのスキャパレッリ風の電話機型ハンドバッグも見逃せない。

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黄金色の羽根の髪型は、スカルプテッド・ヘアーと呼ばれ、ポーセレンを小さな羽根状に形造られたもので、非常に手が込んだ仕事がなされている。

全体的に1920年代のムードが漂う驚きと美しさに満ちた名品だ。
深まりゆく秋の夜長、黄金色の羽根、「プリュム・ドオール」ミドヴァニィのイメージを楽しんでいただければと思う。

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2011年08月28日

「プチ・トリアノン」ミドヴァニィ "Petit Trianon" Mdvanii

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乙女チックなライラック色のアップヘアーに、夢見るようなブルーグレーの瞳とふっくらしたバラ色の唇・・・・。
マリー・アントワネットが愛した館「プチ・トリアノン」の名を冠した、このロマンチックな雰囲気を漂わせるミドヴァニィは、前回ご紹介した1998年に発表されたポーセレン製ミドヴァニィ一点ものシリーズの中の一作品。前回の「宇宙の花」ミドヴァニィとヘアースタイル、カラー、メーキャップが似ているせいか、並べてみると、まるで姉妹のように見える。ということで、連続してご紹介することにした。

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彼女が着ているのは、美しく肩を見せたピスタチオ・アイスクリーム色のシルク・モスリンの夏向きのカクテルドレス。デコルテの縁の部分には赤とオレンジ色の花の刺繍付き。そしてウエストには、赤とグリーンのクラシックなリボンが乗せられたピンクのチンツ製の長いボウでアクセントが付けられ、後ろの部分には赤とオレンジ色の花の刺繍がほどこされ、蝶結びされている。

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ドレスの下にはピンクのペチコート、そして注目すべきは、ドレスとお揃いの花の刺繍がなされた薄霞のようなパンティーと、やはり花の刺繍がアクセントにつけられた白いレースのストッキングだ。
これまでミドヴァニィは、ドレスのシルエットをそこなわないようにと、決して下着をつけたことがなかった。ところが、この年初めて、ビリーボーイはミドヴァニィのために可愛くてセクシーな下着をデザインした。それはミドヴァニィの歴史上、極めて稀なことであり、下着をつけたミドヴァニィは、後にも先にも、この「プチ・トリアノン」を含めて数体しか存在しない。それらのミドヴァニィはコレクターにとって、ある意味、垂涎の作品といえる。

彼女の装身具には、白い手吹きガラスのスズラン型のイアリングとクラシック・リボンから作られたチョーカー。
又、付属品には、ライラック色のビーズの持ち手がついた、ウエストのボウとお揃いの布製ハンドバッグ、そしてゴールドのハイヒールシューズ。

「プチ・トリアノン」は、そもそも植物学研究に熱心だったルイ15世がフィールドワークのために造らせた英国と中国の折衷スタイルの庭園であり、城館は愛人ポンパドール夫人の発案で建てられた。その後ルイ16世が、マリー・アントワネットへ贈ったというストーリーが知られている。
マリー・アントワネットがこよなく愛した美しい庭園を、今、ミドヴァニィが歩いている姿を想像していただければと思う。

人形本体はフランス・セーヴル窯焼成のポーセレン製。1998年制作。個人蔵。

Photo (C) Sumiko Watanabe

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2011年08月24日

「宇宙の花」ミドヴァニィ Fleurs Cosmiques Mdvanii

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最愛の母が、8月初旬に亡くなった。
彼女は、長年ミドヴァニィを陰ながら応援していてくれた一人だった。
その母が好きだったのが、今回ご紹介する「宇宙の花」と名付けられたミドヴァニィだ。
彼女は生前、長きに渡って油彩画をやっていて、中でも特に花の絵を好んで描いた。そして、「私が死んだら、宇宙の花になりたい」とよく言っていた。
そんなことからか、「宇宙の花」ミドヴァニィに関心を持ったのかも知れない。

本作品「宇宙の花」ミドヴァニィは、ミドヴァニィ生誕10周年記念に先駆けて、1998年の夏に発表されたポーセレン製ミドヴァニィの一点ものシリーズの一作品である。
このシリーズの大きな特徴は、ポーセレンによる彫刻的なヘアースタイルと、ディオールのもとでキャリアを積んだ若手ファッション・デザイナーF氏をスタッフに迎えたことによる徹底したオートクチュール・ファッションの実現。
美とエレガンス、そして高品質とユニークなアイディアが結集した衝撃的なミドヴァニィの誕生だった。

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「宇宙の花」ミドヴァニィ Fleurs Cosmiques Mdvanii;
夢幻的なライラック色のエンパイア・スタイルのスカルプテッド・ヘアー。それは、ナポレオンの妻、ジョセフィーヌ皇后の髪型を想い起こさせる。人形本体と同様、フランスが誇る名窯・セーヴル窯で焼成されたポーセレンで形作られている。そこには、白い手吹きガラスで作られたスズラン型の小さな花が飾られ、お揃いのイアリング。
美しくカーブを描いたグレーの眉とアイシャドー、そして妖艶なバイオレットの口紅。
彼女がまとっているのは、宇宙的なピンクのメタリックの花が飾られたワトー・スタイルの白いサテンとピンクのチンツ(更紗木綿)のゆったりしたロングドレス。そして、写真では分からないが、その下にセクシーなピンクのシースドレスを着ている。

因みに、ワトーとは、Jean Antoine Watteau (1684~1721)、フランス・ロココ時代の画家であり、柔らかな薄霞のような色彩に包まれた夢幻的な作風を特徴とした。またしばしば、当時の風俗をモチーフにしており、その作品はファッション史の参考にされることも多い。

要するに、今回のミドヴァニィが着ているドレスは、ワトーの絵に出てくるような当時のエレガントな女性たちが着ていたゆるやかなドレスからインスパイアーされたものと言って差し支えないと思う。

直接、本作品と関係ないが、参考までワトーの代表作のひとつを以下にUPした。
フランス、1720年当時の美術商の店内の様子が描かれている。人々のファッションが参考になる。

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The Signbord for the Shop of the Art Dealer Gersaint, 1720. Berlin, Staatlice Museum

「宇宙の花」ミドヴァニィ、それは夏の終わりの夜空に咲く宇宙の花か、・・・・・クラシックとアバンギャルドが見事に融合したロマンティックな作品だ。

亡き母の思い出と共に・・・。

Photo (C)Sumiko Watanabe

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2009年12月03日

オルキデ・ノワール(幻想の花、黒い蘭)ミドヴァニィ Orchidee Noire Mdvanii

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ナルシス・ノワール Narcisse Noire」(幻想の花、黒い水仙)という名の香水をご存知だろうか?
オレンジの花とローズ、そして甘美なムスクを巧みに配合した、ちょっとお香のような妖しく神秘的な匂いのする香水である。1921年、天才調香師エルネスト・ダルトルフ(キャロン社の創始者)によって創作されたものだった。
私は、1970年代から1980年代にかけて、香水に夢中になっていた時期があった。当時、東京・渋谷にあった東急文化会館の1階の片隅に、美人姉妹が経営する「マリソル」という小さな香水店があり、私は仕事の帰り、よくそこへ足を運んだ。この店は、本場パリから珍しいアンティークの香水を取り寄せ、量り売りしてくれることで知られていた。本当に小さい店だったが、一歩中に入ると、そこはまるで別世界。パリの香りをプンプンさせた美しい姉妹が、お客の若い女性達を魔法にかける。私もその一人であり、姉妹に憧れ、パリを夢見た。そんな私が最も好きだった香水が「ナルシス・ノワール」だった。そして、この名香が生まれたのが、パリのオペラ座に近いおしゃれな通りとして知られるリュ・ドラ・ペ(平和通り)。奇しくも、その後、私の仕事となったミドヴァニィと深い関わりのある通りだった。

さて、今回紹介する「ナルシス・ノワール」ならぬ「オルキデ・ノワール」(黒い蘭)ミドヴァニィであるが、1997年に発表されたポーセレン製の一点もの特別作品のひとつである。どこか東洋的な静かで神秘的なムードを持つ。その大きな原因は、彼女の金色がかったブラウンの瞳のせいかも知れない。普通、ミドヴァニィの目の色はブルーであり、ブラウンの目を持つものは僅か数体しか作られておらず、非常に珍しい。

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彼女が着ているのは、黒いシルクサテンのトップに、黒とゴールドラメのシーススカートが一体となったシースドレス。その上に、スカートとお揃いの生地で作られたジャケットと黒いシフォンのロングスカートが繋がった幻想的なイブニングコートを重ねる。ジャケットには黒いシフォンのプリーツの衿、スカートの後ろには大きな黒いサテンのリボンがアクセントについている。そして黒いシルクのストッキングに、黒いエナメルのオープン・トウ・ハイヒールシューズ・ジュエリーは、パールのネックレスとイアリング、そしてゴールドのカフスブレスレットだ。

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この素晴らしく幻想的な美しいドレスに加えて、更に呼び物となっていたのが、彼女のヘアー・デザインだった。それはアレキサンドル・ド・パリによるものであり、シャンパン・ゴールドに塗られた仏像を想わせるようなモールド・ヘアーの上に、人毛でできたブラック・ボブのウィッグを被せるというもの。つまり、二通りのヘアー・スタイルが楽しめる訳であった。
メーキャップは、グレーのアイシャドーに、ゴールドのアイライナー、そしてコーラル・レッドのリップス。

妖しいまでに神秘的な「オルキデ・ノワール」(黒い蘭)ミドヴァニィ・・・・・。彼女からは、パリの香りと共に、あの懐かしい「ナルシス・ノワール」の匂いが甦ってくるようだ。


人形本体は、フランスのセーブル窯のポーセレン製。約25cm。
1997年制作。
◎販売可能です。ご興味有る方は、当ブログの管理人までご連絡ください。


お知らせ

毎年恒例のミドヴァニィ、クリスマス・メール・オークションを12月中に行います。
今回ご紹介した「オルキデ・ノワール」(黒い蘭)ミドヴァニィを初め、レジン製サイキック・インディアン「ロジーヌ」やプロトタイプの「ピクニック」ミドヴァニィなど、数多くの貴重な作品が出品されます。
ご興味の有る方には、オークション・カタログをお分けしますので、当ブログの管理人又は、下記メールアドレスまで、ご連絡ください。


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2009年08月20日

エニグマ ENIGMA

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摩訶不思議なマリンブルーの空間に浮かぶ古代エジプト風の衣装を身につけたミドヴァニィ。その下方には、宇宙人めいた全身ターコイズブルーに塗った、頭部にゴールドのアンテナをつけた2体のミドヴァニィが見える。何とも奇妙な写真に見えることだろう。
実は、この写真は、操作を誤って二重撮りしてしまったものなのだ。しかし、その偶然の効果が作品のテーマにマッチしていて、シュールで美しく見えたので、敢えて、ここに披露した。

撮影したのは2001年、スイスのイヴェルドンにあるサイエンス・フィクション専門のミュージアム La Maison d'Ailleurs で開催された「ミドヴァニィ、地球の思い出」展の会場。「エニグマ」を撮影したフイルムをカメラから取り出し、それを誤って再びカメラに入れ、知らずに別の作品を撮った結果であった。

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「エニグマ」ENIGMA: その意味を直訳すれば「謎めいたもの」。まさに、その名のごとく、非常にミステリアスで、これまでのミドヴァニィの制作コンセプトから大きく飛び出し、宇宙へ吹き上げるようなエネルギーと斬新な魅力を持つ作品だ。
近未来的な女性像を表現しており、金属と薄い麻布で作られた古代エジプト風の衣装をまとった2体のポーセレン製ミドヴァニィが、未来的なオブジェ(高さ約150cm)の中に立っている。内側をマリンブルーに、外側をブラックに塗った木製の箱、同じくマリンブルーに塗られた流木を屋根のように乗せ、黒く塗った石が4つ、意味ありげに箱の上と内部に置かれている。そして、シルバーメタルの立方体がそれらの基底部をなっている。2体のミドヴァニィは、完全に、この大きなオブジェの一部であり、全体でひとつの世界を構成しているのだ。
これを「アート」と呼ぶ人もいれば、「人形だ」と言うひともいることだろう。私には、そのどちらでもあるように思え、そしてどちらでも良いと思う。只、言えるのは、そこにいるミドヴァニィたちが、見るものに、手に取ってみたくなるような可愛らしさといとおしさを感じるさせるということだ。それが、彫刻のような所謂「アート」とは違うところだと思う。

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2体のミドヴァニィは、まるで姉と妹のように見える。姉は、薄い麻布の上にゴールドメタルの小さくて平べったいチューブをチェーンと糸で丹念に繋ぎ合わせたぴったりした足首までのシーススカート、一方、妹は、古代エジプトの文字が彫られた台形のゴールドメタルを繋いだミニスカートをはき、共に、レジンで作られた内臓感覚の、淡いブルーとゴールド又はカッパー色に塗られたブラをつけ、淡いブルーのプラットフォームシューズを履いている。
頭部はパール塗料で彩色され、頭の上には淡いブルーとゴールドに塗られたお椀を伏せたような形の宇宙と交信するアンテナが取り付けられている。
淡いバイオレットの仮面のようなメーク。バイオレットの瞳にダークバイオレットのリップスとネイルス。
彼女たちは、地球にやってきたエイリアンの姉妹のように見える。しかし、それと同時に、彼女たちの静かな顔からは仏像に通じるものが感じられ、どこか懐かしく、そして悩ましい。私が最も愛して止まないミドヴァニィ作品である。

人形はフランス・セーブルのポーセレン製。衣装は布、金属、樹脂。 オブジェは木、金属、石。
2001年制作 個人蔵

中段の写真向かって左の2点は、Photo (c) Hiroshi Noguchi Flowers

その他は、Photo (c) Sumiko Watanabe

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2007年08月19日

スペース・ゲイシャ Mdvanii "Space Geisha"

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日本列島、8月に入ってから記録的な猛暑が続いている。生命の危機を感じさせる程の暑さだ。

そんな夜、見ているだけで涼やかな気分になれるのが、今回紹介するミドヴァニィ「スペース・ゲイシャ」Mdvanii "Space Geisha" である。

フランスの名窯として名高いセーブル窯で焼成されたポーセレン(磁器)製のミドヴァニィ Mdvanii だ。2000年制作。
パープルからブルーへグラデーションをかけて染めた毛糸を使用した凝ったマーメイドラインのドレスは、膝下から、まるでイカの足のように何本もの編んだ毛糸の房によって広げられている。ウエストには、19世紀の金色のリボンを利用した帯のように太いサッシュベルトがつけられ、スキャパレッリのショッキングピンクのファブリックから作られた奇妙なケープ。
髪型はドレスと同じ毛糸で出来ていて、小さなパールが飾られている。
メーキャップは、ゴールドと紫陽花色のアイシャドーに、濃いバイオレットの口紅。
そして、写真では良く見えないかもしれないが、まるで花魁の高下駄のような非常に厚底のブルーのフラット・シューズを履いている。多分、ビリーボーイは、16世紀イタリアの高級娼婦が履いていた「ゾッコリ」と呼ばれる超厚底の履物からヒントを得たのだと思う。
彼女は、スイス・アルプスの麓から持ってきたという大きな石の上に、火星の石のような小石と一緒に立っている。

何故、彼女が「ゲイシャ Geisha 」なのかよく分からないが、多分、「ゲイシャ Geisha 」という言葉が当時、ヨーロッパの若者の間で、流行っていて、それが「クール」とか「オシャレ」というイメージに繋がるからであろう。
単に「ゲイシャ Geisha 」ではなく、その前に「スペース Space 」をつけたところが味噌だ。そのせいか、全体に宇宙的な神秘と郷愁を感じさせる。

それで、有名写真家の野口博氏(フラワーズ)に、宇宙的なイメージが伝わるようにお願いし、撮ってもらったのが、この写真だ。

彼女の故郷はどの星なのだろうか?
寝苦しい残暑の夜、宇宙へ思いをはせてみたい。

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上記、タナグラ財団のサイトに、スイス・ローザンヌのミュージアムで開催されたミドヴァニィの展覧会の記事がアップされました。
最初の画面の"English" をクリックし、次に現れた画面の中ほどにある "Mdvanii, This is Not A Doll" のENTERをクリックすると展覧会記事へ行けます。ステキな写真が沢山ご覧になれます!
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